教職員
2020.11.25|最終更新日:2022.06.15|

【後編】家族のような関わりの中で学生を育てる。それが麗澤大学の教育です

【後編】家族のような関わりの中で学生を育てる。それが麗澤大学の教育です

麗澤大学と関わりの深い田中俊弘先生へのインタビュー。後編では、コロナ禍における授業の取り組み、これからの時代、外国語学部の学生に必要な学びについてお話を伺います。

田中 俊弘
外国語学部 外国語学科 教授
千葉県柏市出身。専門分野はカナダ研究(歴史)。日本カナダ学会 副会長。大学時代はイギリス研究を志すも、筑波大学大学院でカナダの視点からイギリス研究に取り組む教員との出会いがきっかけで、カナダ研究の道へ。モットーは、締め切りを守ること。「毎日小まめにスケジュールチェックをします」。今後5年間の目標は「教員としてだけでなく研究の世界にもしっかりと生き、成果を残すこと」。 全寮制時代の麗澤大学で、学生生活を謳歌したという田中俊弘先生。一体どんな学生生活だったのでしょうか?先生の学生時代の思い出、当時の麗澤大学の様子を教えていただきました。
目次

     オンラインでも、対面授業に遜色ない授業は可能です

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    • 新型コロナの影響により、今年度からオンライン授業が始まりました。オンライン授業は、授業中の学生の反応がわかりにくいなど難しい部分もありますが、そのぶん、これまで以上にエネルギーを注いで、学生が満足できる授業をしようと全力で取り組んでいます。私が担当する講義科目では、90分間のうち60分を講義、残り30分を学生が各自で課題に取り組む時間としています。学生が課題に取り組む時間中も画面はオンラインにしていて、何か質問がある場合などはすぐにサポートできる状態にしています。

    課題は、その次の回の講義内容につながるテーマで、30分以内にレポートを書いて提出するというもの。かなりハードですが、学生の食いつきは予想以上。学生は制限時間内に、自分の頭をフルに使って書き上げ、それに対し私は、一人ひとり隅々まで丁寧に添削し、コメントをつけて返しています。これを毎週実践していると、学生は回数を重ねるごとに、確実にレベルアップしています。オンライン授業でも、チャット機能を活用するなどして、学生の質問にきちんと答える、課題提出物を丁寧に見てフィードバックするというように、方法は変われど、今まで同様に十分なサポートさえすれば、対面授業に遜色ない授業をすることが可能です。むしろオンラインのほうが、学生と1対1で向き合いやすく、学生一人ひとりの様子がよくわかるといったメリットもあります。対面授業の再開後も、オンラインを活用し、さらにグレードアップした授業をしていけたらと考えています。

    翻訳ソフトがあれば外国語を学ぶ必要はなくなる?

    • オンライン化、IT化が急速に進む中、外国語学部の人材に求められるスキルも変化しています。ITスキルは外国語学部の学生にも必須となり、オンライン上で人と信頼関係を築くことができる「対人スキル」も重要になっていくでしょう。進化が目覚ましい翻訳ソフトに勝てるだけの語学スキルも必須です。中には「翻訳ソフトがあれば、外国語を学ぶ必要はない」という声もありますが、私はそうは思いません。翻訳ソフトを使ってコミュニケーションを取るのと、外国語を自分のものとして自由自在に使いこなすのとは、雲泥の差があるからです。そもそも、外国語を学問として学び、外国語の知識を体得することは、それだけで大きな意味があります。

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    私は、大学で外国語を専門とするからには「学問」として学ぶべきだと思います。学問として学ぶとは、ただ、単語や例文を暗記するのではなく「なぜ、この表現になるんだろう?」「この文法は本当に正しいのだろうか?」と、すでにあるものを疑い、探求するということ。そこまで外国語を追究すれば、立派な知識人になることができます。そして日常会話はもちろん、ビジネス文書や論文などフォーマルな場にも通用する正確な英語を、自信を持って使えるようになるでしょう。高度な語学スキル、ITスキル、対人スキルを併せ持ち、これからの時代で活躍できる人材を目指してください。

    一人で決めない、悩まない。周りの人を信じて、相談してみよう

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    • 私には大学3年生と高校1年生の息子がいることもあり、学生もわが子のように思っています。麗澤大学の先生方は皆、同じような感覚ではないかと思いますよ。時には厳しいことを言うかもしれないけれど、学生を親身にサポートしていこうとする教職員が、麗澤大学にはたくさんいるからこそのこと。高校生の皆さんの周りにも、皆さんのことを大切に思う人がいるはず。周りの人を信じて、進路のことでも何でも、相談してみてください。一人で悩んだり、自分だけで何でも決めたりしないこと。言われたことに全て従えという意味ではありませんが、自分よりも長く生きて、世の中や人生のことを知っている人たちの意見を聞くことは、それだけで価値があるし、その人たちはきっと、皆さんの支えとなってくれますから。

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