
イギリスの最高学府オックスフォード大学大学院進学を果たした宮野さん。後編では、オックスフォード大学大学院での学びや現地生活、英検1級以上の難関試験といわれている国際連合公用語英語検定特A級合格への道について伺います。
※取材は2023年に実施。

麗澤大学在学中に培った知の貯金は今も活かされている
麗澤大学を卒業した後、私はオックスフォード大学大学院の国際開発学部に進学しました。開発学は、簡単にいうと、開発途上国に住んでいる人達の生活水準を向上させ、すべての人にとってより良い世界の実現を目指す学問です。つまり、生活に関わることすべてを開発学では学んでいます。経済学や人類学、政治学など生活に関わる様々な分野の知識を持ち寄って、仲間と一緒に解決策を模索していきます。
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去年の1年間は、授業で国際協力の深い知識をつけたり、研究手法について学んだりしていました。私の在籍しているコースのメンバーは32人で、日本人は私だけです。様々な国の、色々な研究分野から来ているクラスメイトと、コミュニケーションを取ったり議論したりするのはとても楽しいことです。教授陣も各分野の第一線で活躍されている方々で、世界を動かすような研究が同じ学部内で行われていますので、心がはずむ刺激しかない毎日です。
最高の知的環境にいるわけですが、大学時代にヨネスク先生が鍛えてくださったおかげで麗澤大学時代に相当溜め込んだ知識の貯蓄を今最大限に発揮できていると感じます。もちろん日々の勉強によるアップデートは欠かせませんが、知らない間に私の中に生まれた余裕に対して、しみじみと感謝しています。
卒業論文の研究に没頭している大学院生2年目
生活面では、物価高を身にしみて感じています。最近は円安の影響もあるので、生活面では決して裕福とは言えませんが、日本学生支援機構から奨学金もいただけているので、安心して勉学に取り組めています。食べ物は正直あまり口に合わないこともあり、少々辛いです。麗澤大学在学中に留学したウガンダは、意外にもご飯がおいしかったことを思い出します。
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大学院生活のルーティンは、2年目の今は授業がなく卒業論文の執筆だけなので、朝7時くらいに起きて、その後、2時間ぐらい研究のためのリサーチをした後、ランチを食べて、アルバイトを4時間程度行います。そこからはずっと夜中まで卒業論文のための研究に没頭しています。麗澤大学にいらっしゃったオックスフォード大学出身のクリス先生が教えてくれたイギリスのパブ文化。たまにパブに出かけて、色々な国の学生と交流する時間も大事なひとときです。大学院はいよいよ来年卒業です。
単語と文法をきちんと固めることが、英語力を伸ばすコツ
大学院進学前に、これまでの勉強の延長戦として、国際連合公用語英語検定※特A級の取得に挑戦しました。特A級が最も難易度が高く、その下のA級は英検1級に相当すると言われています。勉強の延長戦と言えど、思った以上に難しく、2度目の受験で合格を掴むことができました。
「どうしたら英語力を伸ばせますか?」と聞かれることがありますが、基本的には単語と文法をとにかくきちんと固めることが大事だと答えています。正直、やみくもに話すだけでは駄目だと実感しています。単語と文法をコツコツ積み上げる作業を、初期のうちに真面目にやる段階を避けてはなりません。その後に、アウトプットとして話したり、本を読んだりするという流れが個人的にはベストだと思っています。
※語学力の判定にとどまらず、総合的な国際コミュニケーションスキルが問われる、日本国際連合協会が主催する検定試験。出題トピックも国連の活動に沿って、世界平和、地球環境、世界政治、世界経済、人権、食品、医療等の世界情勢・国際時事問題を広く取り扱う。
やる気がある学生には全力でサポートしてくれる麗澤大学
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高校生の皆さんに伝えたいことがあります。私みたいに高校までずっと勉強せず大学に入った人は、そこからもう挽回できないと思ってしまう人も中にはいるかもしれません。ですが、大学に入ってからでも本気を出してやっていけば、思いや目標を実現できるということが、私のインタビューから伝わればいいなと心から思います。
勉強ではなくてもいいのです。たとえば就活であれば、とにかくやりたいことを設定して、そこに何が必要なのかを冷静に考えてコツコツやっていくと、ある程度のところまでいけると思いますから、頑張ってほしいです。麗澤大学は、やる気がある学生にしっかりと時間を割いて、サポートしてくれますから、安心して入学してくださいね。