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「もったいない」を「おいしい」に変える!― 廃棄梨のアップサイクル ― 学生発案、"梨で柔らかポーク"弁当を学内で販売!
学生発案、"梨で柔らかポーク"弁当を学内で販売!
麗澤大学の経営学部では、実社会とつながる実践型授業「ビジネスイノベーションプロジェクト」の一環として、地域資源の有効活用に取り組んでいます。今回のプロジェクトでは、柏市で廃棄されてしまう、形や傷などの理由で味に問題はないが市場に出せない"規格外の梨"(蜜症によって市場に出せないが、味に問題のない梨)を活用した食品開発にチャレンジしました。
その"規格外の梨"は、道の駅しょうなん様より、調理・レシピ開発には地元の人気イタリアンレストラン「一魂(いっこん)」様にご協力をいただきました。
すべての始まりは、「もったいない」という一言でした。
麗澤大学のビジネスイノベーションプロジェクトで「地域資源の活用」というテーマに取り組んでいた私たちは、ある日、道の駅しょうなんの木村さんからこんな話を聞きました。
「規格外という理由だけで、美味しい梨が何トンも廃棄されているんです。」
蜜が入りすぎて見た目や日持ちに問題が出る「蜜症梨」を筆頭に、味や香りは抜群なのに、市場には出せず、処分にもコストがかかる――そんな現実を前に、私たちは「この梨を救いたい」と心から思いました。
道の駅しょうなんにて木村氏へのヒアリング
「食べ物として再び命を吹き込みたい」
私たちのチームは、フードロス削減と地域活性化を両立できる活用方法を模索しはじめました。スムージー?ジャム?スイーツ?いくつもの案が出ては消えていきました。そんな中、「梨に含まれる酵素が肉を柔らかくするらしい」との一文を資料で発見。
「お肉を柔らかくする梨って...面白い!」
そこから一気にアイデアが広がり、梨を使った肉料理に挑戦する方向に舵を切りました。
しかし、私たちは料理のプロではありません。どのくらい梨を入れれば効果が出るのか?肉の種類は?味付けは?――試行錯誤の連続でした。
一魂さんとの出会いと"本気"のコラボ
私たちは、地域で信頼される飲食店「イタリアンレストラン一魂(いっこん)」さんに相談を持ちかけました。突然の申し出にもかかわらず、シェフは興味を持ってくださり、実際に蜜症梨を使って調理のアドバイスをしてくれることに。
一魂にて今野氏と打ち合わせ
「梨で豚肉をマリネしてみましょう。酵素の力を信じて。」
そこからは、シェフとの何度も重ねた打ち合わせと、学生メンバーによる試食・改良の繰り返し。梨のペーストをどれだけ混ぜるか、何時間漬け込むか、ソースの味に梨の甘さが勝ちすぎないか。プロの技と学生の柔軟な発想が融合し、やがて試作品は完成へと近づいていきました。
梨の力で豚肉が"とろける"!
開発したのは、梨に含まれる天然酵素(プロテアーゼ)で豚肉をマリネし、やわらかく仕上げた「梨仕込みポークのトマト煮込み弁当」です。梨の自然な甘みと酸味がトマトソースに溶け込み、深みある味わいに仕上がりました。
仕込みの様子
完成したメニュー
学内での限定販売、即完売!
販売当日は学内カフェテリアに特設ブースを設け、45食限定で提供。販売分はすべて即完売となりました。
「本当に梨が入ってるの?」
「こんなにお肉がやわらかいの、びっくり!」
「また食べたい!」
そんな声が、私たちにとって最高のご褒美でした。
学生による販売の様子①
学生による販売の様子②
挑戦の先に見えたもの
このプロジェクトを通して、地域資源を活かすことの難しさと面白さ、そして何より「食」を通じて人の心を動かす力を実感しました。フードロスの課題は簡単には解決できません。でも、"すてない梨"を"とっておきのごちそう"に変えたように、学生のアイデアと行動が、社会を少しずつ変えていけると信じています。
麗澤大学では、地域との連携を通じて、学生の創造力と社会課題解決力を育む実践的な学びを今後も推進してまいります。