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【開催報告】廣池千九郎生誕150年記念シンポジウム「太平洋がみんなのキャンパス~若者がつくる21世紀の共生社会~」を開催
11月3日(祝・木)に廣池千九郎生誕150年記念事業として公開シンポジウムを開催し、参加された約120名は大変熱心に聴講されました。
麗澤大学の学生たちは2013年から現在に至るまで、彼らが自主的に企画したゼミの活動として、ミクロネシア連邦のポンペイ島で、現地の学生とともに環境教育をテーマとするプロジェクトを行ってきました。このような、実際の活動を通じた学びは、普段、教室で講義を聴いて、ノートをとっているだけでは決して得ることのできないものです。
こうした学びの手法は、専門的には「アクティブ・ラーニング」または「課題解決型学習(PBL:Project-Based Learning)」と呼ばれるもので、現在、日本のみならず世界の多くの大学で採用されつつあります。今回のシンポジウムでは、太平洋を私たちの「キャンパス」に見立て、学びをご紹介する貴重な機会となりました。
まず、主催者を代表して麗澤大学 小野宏哉 副学長が挨拶。続いて、これまで長らくミクロネシアでの環境教育プロジェクトに指導者の立場で関わってきた成瀬 猛教授が基調講演をしました。
第二部ではミクロネシアに関する有識者3名を招いての「世代間ディスカッション」が開かれ、ミクロネシアについていろいろな情報交換をする場となりました。
会場には本学の提携校であるミクロネシア短期大学から2名の学生も参加。麗澤大学のこれまでのプロジェクトを通じて得られた教育成果を紹介しつつ、日本とミクロネシア連邦を含む太平洋の「共生社会」について、共に学ぶことができました。
21世紀を「対立」ではなく「共生」の時代にするためには、「つなぐ力」が必要です。日本が国際社会の一員としてなしうる重要な貢献の一つは、国と国、人と人との「つなぎ役」として、世界に平和と繁栄をもたらす努力を続けることでしょう。そのために、私たち一人ひとりは、何をすべきなのでしょうか。
共生社会というテーマは、重要な地球的課題でもあります。今日、ミクロネシアでは物質文明の負の側面がはびこりつつあり、ポンペイ島の自然環境も少しずつ破壊されています。それは、私たちにとって単なる外国の問題ではありません。
これからは、太平洋という同じ海を共有する国同士がお互いの力を合わせ、自然と調和する豊かな共生社会を築いていかなければなりません。その主役、すなわち「つなぎ役」の中心となるのは、大学生や高校生をはじめとする若者たちです。今後も麗澤大学とミクロネシア連邦との強い“絆”を発展させ、両国の友好に寄与していきたいと思います。