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2019.09.02|最終更新日:2020.07.24|

【開催報告】中山理特任教授が札幌でWell-beingの道徳的経営について講演

 2019年8月24日(土)、北海道の札幌市で、一般財団法人日本道経会の北海道支部による「令和元年道経一体セミナー」の一環として、企業経営者対象に中山理特任教授による経済講演会が開催されました。以下は、中山教授からの報告です。

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 演題は「幸せを生む道徳的経営のレシピ」です。講演の中で、私は参加者に(1)皆さんの会社は誰のために存在するのか?(2)皆さんの会社はなぜ存在するのか?という2つの根本的な質問を投げかけました。麗澤大学の創立者廣池千九郎は、(1)会社は、売り手、買い手、社会の「三方よし」のために存在する。(2)会社は経営を通して人を愛し、もろもろの恩恵に感謝し、人を幸福にするために存在すると考えています。
黒字化による利益追求、経営の合理化、企業規模の拡大だけを目指す経営をするのか、それとも社員がワクワクして感謝の心に満たされ、幸福になり、その結果、仕事の生産性が向上するような経営を目指すのか。
いうまでもなく、21世紀はWell-being実現の経営を目指すべきで、科学的研究によれば、幸せを感じている人ほど、向社会的能力、思考の柔軟性、創造性、生産性、収益性が高く、困難に対する回復力や免疫システムが強く、健康で長寿だそうです。Diener博士(ロバート・ビスワス = ディーナー博士:Robert Biswas = Diener)らの研究では、もっと具体的に数値化されており、Well-being感が高い人とそうでない人を比べると、前者の方が創造性で3倍、生産性で31%、売り上げで37%高く、職場での人間関係は良好で、転職率・離職率・欠勤率も低いとか。これは道徳と経済は一体だとする「道経一体」思想の提唱者、廣池が道徳実行と幸福実現との因果関係を科学的に研究し立証しようとした分野でもあります。
現在、働き方改革が叫ばれていますが、時短に代表される外発的動機づけによる発想ではなく、意図的な道徳行動による幸福実現という内発的動機づけによる経営を目指すべきだと講演を締めくくりました。

講演会の様子

講演する中山教授