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2025.01.29

【開催報告】冬の読書会 겨울의 독서회
〜アジア人女性初! ノーベル文学賞受賞記念学内朗読&対話イベント小説家ハン・ガンさんの本を読もう〜

 2025123日(木)、「冬の読書会 겨울의 독서회〜アジア人女性初! ノーベル文学賞受賞記念学内朗読&対話イベント小説家ハン・ガンさんの本を読もう〜」を開催しました。本イベントは、自主企画ゼミナール21世紀型教育方法の探究」(担当教員:外国語学部 花田太平准教授)の学生が主催し、ゲストスピーカーとして国際学部の金孝卿教授も参加しました。

 自主企画ゼミナールとは、学生が学びたいテーマを見つけ、 学生が自ら指導を受ける教員を選び、 何をどのように学習していくかについて、 該当教員の助言を受けながら決定し、 学習計画を立てその計画に従って進めていくゼミナール制度です。

 イベントの冒頭では、2024年ノーベル文学賞を受賞した韓国人小説家ハン・ガンさんの作品をより深く理解するため、金教授が作品を生み出した韓国の時代背景や課題図書のタイトルである흰(韓国語で「白」を意味する形容詞)という言葉の意味を詳しく解説しました。その中で、文学評論家や作家のことばを借りて、光の三原色を例に、「光の三原色の真ん中の흰(白)というのは、"白色"で塗りつぶされるというより、空間や余白が生まれるというような感覚と捉えることができます。私たちが物理的に見るだけでなく、ある感情的・心情的な空間、または人と人との間の空間と連想してみるといいかもしれません」という言葉が印象的でした。

 朗読会では、主催の学生たちが日本語で、金教授と当日参加の留学生2名が韓国語で『すべての、白いものたちの』(原題『흰』)の一部を朗読しました。

 朗読会が終わると21組になり、それぞれ5分ずつ計10分間の対話(リスニングワーク)を行いました。「今日のコンディションや、今の気持ちについて話してみましょう」「朗読会を終えて、感想を共有してみましょう」などの問いをもとに、それぞれ感じたことを言語化していきました。

 続いて、参加者全員で対話(哲学対話)を行いました。哲学対話では、一人の学生が話を終えると、そのタイミングでまた別の学生が手を挙げ、話し手が移っていきます。「あなたにとっての흰(ヒン)「白色」とは?」「あなたにとって"沈黙のための時間"は必要な時間、価値ある時間だと思いますか?」との問いに対して、自由に話をしている様子がうかがえました。

 最後のふりかえりの時間では、「以前ハン・ガンさんの本を読もうとしましたが、途中で辛くなり断念したことがありました。でも先ほど、「ハン・ガンさんの作品は人間のもやもやしたものを言語化したものだと思う」という意見を聞いて、すぐに理解できなくても良いんだと救われました。今日皆さんと一緒に読めたからこそ、最後までこの場にいることができました」「さまざまな温度感の言葉に触れた時間でした。誰かの言葉にじっくりと耳を傾けたり、目を向けたりする時間は不思議だけど良い時間でした」といった感想が聞かれました。また、休憩時間には、韓国の温かいお茶とお菓子がふるまわれ、日本と韓国の学生たちがリラックスして談笑している景色が印象的でした。

 尚、本活動は麗大麗澤会チャレンジ支援事業The Seedによる助成を受けています。

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