お知らせ
【開催報告】流山市長 井崎義治氏による特別講義を実施
2025年7月2日(水)、工学部の大澤義明教授が担当する講義「社会システムのデザインと技術」において、流山市長の井崎義治氏をゲストスピーカーにお迎えし、特別講義が行われました。本学の校舎「さつき」の一部が流山市に位置し、地域と密接に関わりながら学ぶ学生も多いことから、現職の市長をお招きしての講義が実現しました。
第12回目となる今回は、「流山市の経営戦略~これまでの歩みと未来への展望~」をテーマに、井崎市長より、都市経営における独自性と先進性にあふれる施策や実践についてお話しいただきました。少子高齢化や人口減少が進行する中にあっても、流山市は「都心から一番近い森のまち」という明快なブランドイメージを掲げ、共働きの子育て世帯を主なターゲットとした定住人口増加策や、質の高いイベントや地域資源を活用したツーリズムなどによる交流人口の拡大を図ってきたことが紹介されました。
さらに、持続可能な都市経営に向けた成長戦略として、都心等への交通利便性の継続的な向上、自然と都市が調和する良質な住環境の維持・発展、快適で楽しい都市空間の創出、そして「住みたいまち」としてのブランドの確立という四つの柱について、具体例を交えながら詳しくご解説いただきました。行政の枠を超え、市民や企業との協働によって新たな価値を生み出し続ける流山市のビジョンは、学生たちにとっても今後の社会の在り方を考える上で大きな示唆となりました。
講義の後半では、学生たちが「流山市まちづくりの課題と解決提案」という即日課題に取り組み、4名がそれぞれの視点からアイデアを発表しました。ある学生は、人口増加に伴い乗降客数が年々増えている「流山おおたかの森駅」に着目し、駅での待ち時間のストレスを和らげるために、ボタンを押すとねぎらいの言葉をかけてくれる「褒めてくれるベンチ」の設置を提案しました。子育て中の親子や学生、高齢者など、多様な人々が安心感や、やさしさを感じられる空間づくりを目指したこのアイデアに、井崎市長も高い関心を示されました。
今回の特別講義は、自治体のトップとして第一線でまちづくりを担う井崎市長から、地域経営の実際や未来への展望について直接学ぶとともに、学生自身のアイデアを提案し、フィードバックを受けることができる大変貴重な機会となりました。学生たちは、自分たちの学びが現実の社会課題と結びついていることを実感し、今後の学修に対する意欲をいっそう高めることができました。
講義で登壇された流山市長・井崎義治氏
流山市の都市戦略をテーマに行われた特別講義の様子
『流山市のまちづくり』をテーマにした学生の提案発表
講義終了後に撮影した記念写真