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2013.08.06

麗澤大学 経済学部教授 高辻秀興 氏が講演

麗澤オープンカレッジ特別講演会(後援:千葉県教育委員会、柏・流山・松戸・我孫子・野田 各市教育委員会および柏商工会議所)の平成25年度前期第4回目が8月3日に開催され、麗澤大学 経済学部教授の高辻秀興 氏がテーマ「成熟社会と都市再生」と題して講演されました。当日は167名の方々が来場し熱心に聴講されました。高辻教授はスライドを使用し、テーマに沿ってわかりやすく展開されました。

まず高辻教授は、「成熟社会とは何か」との問いに、「それは一言でいえば”消費需要が飽和した社会”と呼べる状態です」と解説されました。高辻教授はその消費需要について、「衣・食・住・その他、対個人サービスである”私的財”は充実しているが、政府が供給する道路・公園・橋梁などの”公共財”と、人々が共同して供給するクラブ・組合・都市再開発事業等といった”第三の財”に課題がある」と指摘されました。高辻教授はこの打開策として、「効率的・量的変革を求める”プロセスイノベーション”も大切だが、これからは新しい製品や新しいサービスを生み出す”プロダクトイノベーション”という考え方が大切になってくる」と提案されました。

次に高辻教授は、都市開発についての説明を展開されました。都市の社会システムは、1933年にアテネ憲章によって「住む」「働く」「楽しむ」「移動する」と4つに分類されたが、基本的には現在もそれが踏襲されていると解説されました。つまり、「住む」=「住宅」、「働く」=「産業」、「楽しむ」=「消費・修養・交流・継承」、「移動する」=「交通」であり、この視点で都市開発が行われていると述べられました。

さらに高辻教授は、東京都と柏市を比べながら、「住宅」および「産業」という視点と、これからの都市計画と今後の方策について言及されました。

最後に、これからの成熟社会を生きるには、集住システム(人々の生息地のあり方)を見直し、政府の政策に頼らずにアイデアを持った人々が集まり、プロジェクト志向でまちづくりを考えるべきだと述べられ、盛大な拍手とともに講演会を締めくくられました。講演後は活発な質疑応答が行われ終了しました。