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教育・研究
2017.05.18|最終更新日:2020.07.24|

「国際協力演習Ⅲ」特別講義「青年海外協力隊での体験を通して」を開催いたしました

 2017年5月17日 国際交流・国際協力専攻  専攻専門科目「国際協力演習Ⅲ」にて特別講義「青年海外協力隊での体験を通して」を開催いたしました。

 特別講義は以下の2本柱で展開されました。

(1)JICAボランティア制度とは(青年海外協力隊を中心に)

 公益社団法人  青年海外協力協会(JOCA)  国際事業部 立脇 慧一氏

(2)青年海外協力隊での体験を通して

 元・青年海外協力隊(ペルー・環境教育) 山口 真次氏

 (2014年3月~2016年3月)

 前半は、開発途上国の人々のために自分の持つ技術や経験を生かし活動してきた青年海外協力隊の帰国隊員を中心に組織されている公益社団法人青年海外協力協会(JOCA) 国際事業部の立脇 慧一氏による「青年海外協力隊」を中心とした「JICAボランティア 」の概要紹介がなされました。

 かつて青年海外協力隊員でもあった立脇氏は「海外でボランティアをしてみたいけれどもどんなものがあるかわからない・・・」「語学に自信がないのだけれども参加できるのか・・・」というように、実際に協力隊を目指す人々から出てくるよくある質問を、ご自身の体験もふまえながらわかりやすく紹介いただきました。

 後半は、2014年3月から2年間ペルーに派遣された山口 真次氏より、「ペルー」での青年海外協力隊員としての活動内容にフォーカスをあてた体験談がなされました。

 まずは「マチュピチュ」や「ナスカの地上絵」等の遺跡をはじめとした、「ペルー」という国の概要が説明されました。次に、首都リマの都心部の様子、現地でのおいしい料理の数々、現地の人々の写真が紹介されると、フロアから「思っていたより都会!」や、「おいしそう!楽しそう!」というような声すらこぼれていました。

 経済発展の進む華やかな都市部。一方、貧しい暮らしを余儀なくされている郊外での人々の暮らしも同時に紹介され、受講者はペルーに潜む「格差」を垣間見ることになりました。

「語学(スペイン語)もままならなかった」「現地についても何をしたらよいかわからなかった」という山口氏は、夜には「現地のラジオ放送」でスペイン語の学習をし、「何ができるか」を現地の人々からきき、「自分でもできそうだと思うことを片っ端からやりまくった」という山口氏の話に、受講者も深くうなずきながら引き込まれていきました。

 本日の講話の中では「格差」に対する「問題意識を持つこと」の大切さを教えられました。それと同時に、「シャワーは水だけ、Wifiもつながらない、・・・」等、日本での暮らしからは遠く離れた環境に置かれても「郷に入れば郷に従え」と、それらも楽しみながら乗り越えてきた山口氏の前向きな姿勢は、受講者にとって「目標とする人材像」の1人として映ったことでしょう。

 「協力隊を目指したきっかけは電車の中の中吊り広告」と話す山口氏の本日の講話がきっかけとなり、世界へむけて羽ばたいていく学生たちが輩出される日が楽しみです!

立脇氏、山口氏を紹介する成瀬教授         JOCA立脇氏による「青年海外協力隊」の概要説明

失敗談等をふまえながらわかりやすく講義する山口氏

深刻なゴミ問題に直面する郊外の様子と、そこでの活動の様子を、映像を踏まえながら説明する山口氏