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2018.11.30|最終更新日:2020.07.24|

平成30年度学生相談センター・FD委員会共催講演会を開催 「学生の自殺防止のための対応-予防・介入・事後対応-」について学ぶ

 11月22日(木)に、学生相談センターとFD委員会との共催で、東京大学学生相談所長の高野明先生をお招きし、教職員対象に講演会を開催しました。参加者は約30名。

 高野先生は東京大学博士課程を経て、2002年から学生相談の実務者としてお力を発揮されている傍ら、日本学生相談学会の理事として中核的な役割を担っておられます。同学会の前任期においては、特別委員会の委員長として「学生の自殺防止のためのガイドライン」(日本学生相談学会,2014)発行の指揮を取られました。今回は、実務者と研究者の両方の視点をお持ちの先生から、知識と経験の合わさったお知恵をいただくことができました。

 開会に際して、小野宏哉副学長・FD委員長から、今、このテーマについての学びが必要であることが伝えられました。その後、高野先生から「学生の自殺防止のための対応-予防・介入・事後対応-」と題しご講演いただきました。講演は7つのクイズで始まりました。正解はわれわれを驚かせるものであろうことは予想していましたが、20代の3割以上が本気で自殺をしたいと考えたことがある、とのデータを示された際には、参加者が驚きで息をのむ音が聞こえました。自殺の現状と背景要因をご説明いただいたあと、大学においてコミュニティの力や教育的な関わりを通してできる防止対策、ハイリスク学生の発見と対応、危機が目の前に迫った時の緊急対応と、残念ながら自殺が発生してしまったのちの対応について、ご教示いただきました。あわせて、前述のガイドラインの概要を紹介していただきました。

 わたしたちの自殺に関する思い込みは徐々に打破され、最後にクイズの正解が発表された時には、そこここで参加者が深くうなずく姿が見られました。

 ご講演終了後、教職員から、対応や対話の際の工夫、保護者との連携、教職員間の連携、留学生の保護といった質問がなされ、高野先生からはひとつひとつ、具体的なお答えをいただきました。一つの質問が終わるとすぐに次ぎの手が挙がり、その様子からは、学生の命を守りたい、という教職員の願いが伝わってきました。

 最後に、堀内一史副学長・学生相談センター長より、想像以上に学生の命のリスクは高いものであると理解できたこと、予防を大切にしていきたいことが述べられ、閉会となりました。