お知らせ

学生生活
2019.06.19|最終更新日:2021.11.24|

【卒業生の活躍】 青年海外協力隊でアフリカ派遣!2018年度卒業生 櫛山さんから現地報告Vol.7

 外国語学部 国際交流・国際協力専攻(以下・IEC専攻) 2018年度卒業生の櫛山です。

 6月に入り日本は梅雨の季節になりましたね。寒暖差もひどいようなので、体調管理に気を付けてお過ごし下さい。
ウガンダは雨季の真っ最中で、スコールの頻度も多いためほぼ毎日停電するという日々です。日本で生活していたころは、停電に見舞われることはほぼなく、こちらでの生活はパソコン作業が満足にできないなど頭を抱えることも多いです。JICAウガンダ事務所のボランティア調整員(青年海外協力隊員の活動の管理・相談役を担う役職)の方と話していて、以前ほど停電もひどくないという話は伺いましたが、途上国のハード面の強化にはまだまだ時間がかかりそうです。

 さて、ウガンダに来て11ヶ月が経ちました。来月には任期の半分が経過することとなり、少し活動に関して焦りを感じますが、泥臭く地道に取り組んでいきたいと思います。

今回は「任国到着~任地赴任」について書かせていただきます。

 まずは出国の流れについて。青年海外協力隊員が候補生として訓練所に所属している間に、JICAが手配をして航空券を用意します。その航空券の控えと公用旅券(公人用パスポート)を持って空港に集合し、任国が同じ同期隊員と共に各国へ向かいます。出国時の空港は基本的に羽田空港か成田空港となります。

 フライトの予定は当然ですが任国によって異なります。私の場合は、羽田空港からドバイを経由してウガンダに向かうというものでした。
1日近いフライトを終え、いよいよ任国に到着。ウガンダの国際空港は首都のカンパラではなくエンテベという県にあります。空港にはJICAウガンダ事務所が手配した車が待っており、それに乗車して1時間程度かけて首都にある隊員用のドミトリーに向かいます。そこから1ヶ月は首都研修のためにドミトリーでの生活となります。

      ドミトリー

 ドミトリーについてですが、近年JICA自体の予算が限られている影響で、国によってはドミトリーがないところもあります。その場合は各国事務所が手配するホテルにしばらく滞在することとなります。先輩隊員と関わりを増やすためにもドミトリーは重要な場所となります。憩いの場としてだけでなく、活動に関しての意見交換を行うこともできるサロンのようなものです。この点を踏まえると、ウガンダ隊員として来れたことは今思うととてもありがたいことだと感じます。

話を戻します。

 ドミトリーに着くとボランティア調整員と先輩隊員数名が迎え入れてくれました。その後首都研修のスケジュール説明やドミトリーの利用方法の説明などをしていただきました。
そして到着した翌日からいよいよ1ヶ月の首都研修がスタートします。事務所に所属する日本人・現地人職員の方々と挨拶を済ませ、事務所の体制などの説明を受けます。ウガンダの国内事情から入り、事務所が展開する事業、各新隊員の住居環境、健康管理についてなどの説明を受けます。その他、銀行口座の開設や現地携帯の配布とSIMカード登録など最低限必要な物を揃えたりもします。

 また、これとは別に現地語訓練も行われました。これは任地の住民との交流や活動を展開するうえで現地語を習得すれば過ごしやすくなるため、初歩的な表現等を身につけることを目的としています。

  現地語訓練の学校

   現地語訓練の学校

 

 外務省のホームページを見ると、言語は英語・スワヒリ語・ガンダ語("ルガンダ語"と表記されているが、""は現地では""を意味する)となっていますが、実際には現地語だけでも10以上あり、地域によって話されている言語は異なります。基本的にはガンダ語が多いですが、私が住むマユゲ県周辺地域ではソガ語という言語が用いられています。また、英語は独立してから公用語となっているため特に首都では英語話者を見ることが多いのですが、スワヒリ語については2005年に第2公用語として追加されているものの現地人が喋っているところは見たことがありません。

 現地語訓練を終えると1週間程度のホームステイが始まります。ウガンダ事務所では私達の隊次から始めたプログラムだそうです。新隊員がそれぞれの任地に赴くことで2年間暮らす地域を知ることや赴任前の人脈作り・交流を目標としますが、覚えた現地語を使う機会として練習の期間としても利用できます。

 ホームステイをしている間に配属先に顔を出して挨拶をすることも大事でした。事前に会っておくことで配属先への質問や活動に向けての意見交換もできました。

 ホームステイから首都に戻り再び現地語訓練や事務所からの事業展開に関する説明などを聞き、赴任直前にはNERICAセミナーというものを受けました。 NERICAとは"New Rice for Africa"を省略したものです。JICAはアフリカに対してお米の普及活動に着手しています。ウガンダはアフリカの中でも特に注力されており、隊員の比率もお米関係の方が半数以上を占めています。そこで、職種がお米に関係のない隊員も含めてJICAとしてどのような取り組みが成されているのかを紹介する意味でもこのようなセミナーが首都研修でプログラム化されています。

 内容としては、ウガンダでの農業展開状況やお米農家へのアプローチ、田植え体験などです。1日かけての勉強会だったため、僅かではありますがウガンダでどのような普及活動が行われているかについて知ることができました。

このように、首都研修を通じてここには書ききれないほどのプログラムをこなすこととなります。

 もう1つ紹介するとすれば、"ABE INITIATIVE - African Business Education for Youth"について説明を受けたことです。これはアフリカ出身で大学を卒業された方を対象とし、日本の大学院修士課程で経済学の分野で研究をすることで母国への知識還元・発展への寄与を実現するための奨学金制度となります。

 ここ数年、麗澤大学大学院にもこの制度を通じてアフリカ人学生が多く在籍しています。出身国も様々で、その中にはウガンダ出身の学生もいます。学生の方々には、彼らと多く交流することをおすすめします。アフリカは距離が遠いため日本から簡単に行けるような地域ではありません。そんなところから日本に来ている方々と話をする機会もなかなか得られるものではないと思います。

 私は在学時にiLoungeで働いていたことや先生方の紹介もあって彼らとつながることができました。時には会食をすることで、日本やアフリカについての意見交換もすることで学内外含め学びを深めることができたと思っています。そんな機会が目の前にある以上は逃す理由が見つかりません。
ぜひ彼らと交流をしてみてください。

   アフリカ人留学生との交流

今回はここまでとさせていただきます!
来月はウガンダに来てから1年となるため、1年目を振り返りながら活動の紹介や2年目に向けた抱負などについて書かせていただきます。

それでは!

櫛山さんの現地報告記事一覧

Vol.1
Vol.2
Vol.3
Vol.4
Vol.5
Vol.6
Vol.7
Vol.8
Vol.9
※新型コロナウイルス感染症の影響で、最後のレポートは2019年10月までとなります。