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教育・研究
2019.09.24|最終更新日:2020.07.24|

<出版のお知らせ>中山理特任教授の学術論文が収載された書籍『17世紀英文学における生と死』(17世紀英文学会編 金星堂)が上梓される

 中山特任教授の学術論文「十七世紀のイギリスにおける〈死〉の意識革命―ミルトンの『リシダス』に見るスピリチュアリティ」が収載された書籍が出版されました。本論文では「死」に対する人々の意識が17世紀においてどのような劇的な変化を遂げているかを浮き彫りにしようと試みられています。シェイクスピアが悲劇『リチャード二世』で漏らしているように、「死が君臨している」ルネッサンスという時代において、死別と悲嘆による身体的、精神的、知的影響が、当時の文化的なコンテクストの中でどのように表現され、個人の情緒性や主観性と社会慣習の間にどのような反映的な関係性があるかを検証しています。

 特に英文学における哀歌の金字塔とも言われるジョン・ミルトンの『リシダス』に焦点をあて、その中に表現されている詩人個人の「悲嘆」と「喪失」の情感を管見するとともに、それがルネッサンスの時代的、思想的、文化的パラダイムの中でどのように位置づけられるかという視点から、この哀歌で表現された死生観とスピリチュアリティの特徴を社会学的、神学的、文学的な見地からも炙り出そうとしています。

「十七世紀英文学における生と死」の表紙