学生相談室コラム Vol.4 - 推薦図書『そのまんまでいいよーブッタとシッタカブッダ2』
2019.10.1

推薦図書『そのまんまでいいよーブッタとシッタカブッダ2』(小泉 吉宏:著,1996/02,メディアファクトリー刊)

 推薦図書というお題になっていますが、今回推薦するのは漫画本です。漫画は絵と口語、文語で表現されていています。2次元なのに動きを感じられて3次元のように思える、その平面の中にある動きに面白みを感じます。

 さて、皆さんはこの題名を目にしてどんなことを思われたでしょうか?私はこの題名に惹かれました。「そのまんま で いいよ」と言われたら、ほっとします。そのままで良いという考えは、この世に存在している人や物そのものの存在を受け入れ、認めていることだからです。

 皆さんは日々の生活で、立ち止まって自分を見つめる・自分について考えてみるという機会はありますか?普段はそれほど意識することはない、知っているようで知らない、「自分」を感じて、見つめてみませんか。この漫画にはもう少し楽に生きられるかもしれないヒントが散りばめられています。

 主人公は豚のロボットのロブッタです。「私」という心が入ってないロブッタには幸せもなければ不幸せもありません。しかし、心というものを持つようになり、ロブッタは色々な事を感じて経験し変化していきます。

 まず、他者との関りから悩み始めるロブッタの例が出てきます。そこでは、他者から、「こう思われたい」、気持ちがロブッタを苦しめています。だれもが持っているこの思いに自分が苦しめてられていることに気付かされます。

 次に、「自分とは」という問いです。「自分ってなんなのさ?自分を傷つけられるのってどうしてそんなに怖いの?」という場面があります。これを読んで私は直ぐには答えが思い浮かびませんでした。皆さんはどうでしょうか?

 それから、「思い込み」が悩みを深くしている例が出てきます。私たちの歩んでいる道は一本なのでしょうか?幸せになるには、こうあるべきなのでしょうか?他人の目を意識する自分は確かにいますが、それを基準にして行動していたりしませんか?

 最後に、今、できることについて考えてみようという提案です。「悲しい時、いま、何ができる?」「さびしい時、ひとりの時 いま 何ができるかって」「いま は いま できることしかできないよ   シャワーをあびよう 音楽を聴こう たいくつは悪いことじゃない」「悲しい気持ちはいつまでもつづくものじゃない 喜びも 同じこと」と語り掛けてきます。

 人には自分が見えている、見ようとする世界しか見えないと思っています。皆さんは自分をどんなふうに見ていますか?

 この漫画本は学生相談室の隣にある「こころ休憩室」に置いてあります。貸出はできませんが、その場で読むことができます。興味を持たれた方は読んでみてください。

専任カウンセラー 早田 信子(そうだ のぶこ)