お知らせ
【開催報告】特別授業「声色 - Dialogue × Yoga:対話実践におけるembodimentの探究」を実施しました
2025年10月13日、外国語学部・花田太平准教授のゼミナールにて、特別授業「声色(こわいろ)- Dialogue × Yoga:対話実践におけるembodimentの探究」が行われました。本授業は、近年注目を集める「対話におけるembodiment(身体化)」をテーマとし、心と身体を通じて「声をきく」という体験を探究することを目的としています。これまで花田ゼミで継続的に取り組んできた「対話実践」プロジェクトの発展型として企画され、対話と身体表現の接点を実践的に体感する試みとなりました。
教育現場でYogaとTICを融合した実践を展開する西澤佳菜子氏を招いて
講師には、公認心理師であり、教育現場でYogaやTIC(Trauma Informed Care)を取り入れた自己理解プログラムを展開している西澤佳菜子氏をお迎えしました。授業はヨガマットやバスタオルを用意し、動きやすい服装で臨む実践型の形式で行われました。
冒頭では花田准教授より企画の背景と趣旨説明があり、続いて西澤氏から「身体で交わす対話」というテーマでのお話がありました。その後、ヨガニードラ(眠りのヨガ)の実践が行われ、学生たちは「自分の呼吸」「体の内側の感覚」「いま・ここに在る自分」へと静かに意識を向けていきました。
「相手の『声をきく』ために、身心の折を解き、いま・ここに在ることは、わたしの練習の中心にあります。その練習法の一つとして、ヨガニードラの実践を
学生のみなさんと分かち合う機会をいただけたことを、心より嬉しく思います。」
― 特別講師・西澤佳菜子氏
ヨガの後には「声」をめぐる哲学的対話
ヨガ実践の後半には、リスニングワークと哲学対話の時間が設けられました。テーマは「あなたにとって『声』とは?」。
学生たちは、心身がリラックスした状態の中で、自身の声のトーン、他者に届く声のあり方、そして「誰の瞳に映る自分が好きか」といった問いについて語り合いました。身体の感覚と対話の感覚が響き合う時間となり、静けさの中に深い共有が生まれました。
学生の声
「ヨガニードラを通して、体のひとつひとつに意識を向けることが、自分を受け入れる行為なのだと感じました。終わった後の"ぼーっとする"感覚が心地よく、頭の中がクリアになりました。」
「最初はスピリチュアルな印象を持っていましたが、実際に体験してみてその深さを知りました。『誰の瞳に映るあなたが好きですか』という問いは、自分が他者とどのように関わっているかを映し出す鏡のようでした。」
「おりんの音に合わせて意識を体に向けるうちに、雑念が消えていきました。夢と現実の狭間を漂うような時間で、普段の忙しさの中では得られない静けさを感じました。」
「リラックスした心身の状態で対話すると、言葉がより自然に出てくることに気づきました。声を通して相手とつながる感覚を、体の内側から実感できました。」
対話と身体性をつなぐ新たな学びのかたち
本授業は、「声」と「身体」という日常的な営みを通して、対話の根底にある"存在の気づき"を探る実践となりました。
学生たちは、ヨガを単なるリラクセーションではなく、「他者をきくための準備」として捉え直し、心身の状態が対話の質を変えることを体感しました。花田ゼミが取り組む「対話教育」の試みは、今後もさまざまな分野とのコラボレーションを通じて、その可能性を広げていきます。

ヨガニードラを体験する学生たち
「声とは何か」をテーマに静かに語り合う参加者たち











