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2017.12.23|最終更新日:2020.07.24|

【開催報告】ROCK特別講演会 塚田真希氏 ご講演

 平成29年度麗澤オープンカレッジ特別講演会(後援:千葉県教育委員会、柏・流山・松戸・我孫子・野田各市教育委員会および柏商工会議所)の後期第3回が12月9日(土)に開催され、アテネオリンピック柔道女子金メダリストの塚田真希氏を迎え「金メダルをもたらした魔法の言葉」と題してご講演いただきました。当日は190名の方々が聴講されました。

  

 お話の前半では、競技としての女子柔道が置かれている現状について、オリンピック競技となるまでの歴史や、その後の競技人口の変遷など、詳細なデータに基づいて解説いただきました。

塚田氏は現在、全日本女子のコーチとして大局的な視野を持つと同時に、競技人口の減少という課題に対して、危機感をお持ちになっている様子がうかがわれました。また、女子柔道界のニューヒロインとして芳田 司選手の映像が流れると、その鮮やかな内股が決まるたびに会場から歓声が漏れるなど、2020東京大会に向けた希望が受講生に伝わりました。

 お話の後半では、塚田氏の柔道人生について、今回のテーマでもある「魔法の言葉」の核心についてお話しいただきました。中学に入り先輩の呼びかけで柔道を始めたこと、初めはうまく行かず辞めようとさえ思ったこともあったこと、大学で外国人選手に勝てずスランプに陥ったことなど、その時々で塚田氏を支えた言葉を当時のエピソード交え伝えていただきました。

78キロ超級のため、120キロ近い外国人選手など、自身の体格を圧倒する相手とも戦わねばならない世界で、どのように自分を奮い立たせ、勝負に臨んできたのか、その試行錯誤の哲学は、変革を求められる今の日本にこそ必要な知恵なのではないかと感じられました。

 質疑応答では、選手の育て方や怪我に対するマネジメントなどコーチとしてのお考えを伺う内容から、海外経験も多い塚田氏の視点での女子柔道の国際比較や経済モデルのお話など研究者としての一面も垣間見え、その真摯かつ前向きな姿勢が一層会場を興味の渦に巻き込みました。

知的かつ静かな闘志に塚田氏のお人柄が加わり、会場がほんのり温かくなる講演会となりました。