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教育・研究
2020.07.29

【開催報告】自主企画ゼミが「ソーシャルアクションのリアルを学ぶ」 オンライン講演会開催~自主企画ゼミナール活動報告~

本学では学生が学びたいテーマを見つけ、学生が自ら指導教員を選び、教員の助言を受けながら学習計画を立て、その計画に従って進めていくゼミナール制度「自主企画ゼミナール」があります。今年度、新たに1つのゼミナールが発足されました。

 指導教員に花田太平准教授を迎え、12名の学生が「公共性をめぐるオープンダイアローグ:当事者研究と社会的包摂の見地から」をテーマに、障がいと社会との関わりに焦点を当てながら、さまざまな当事者に開かれた公共空間のデザインやそれらを基礎づける公共性の思想について学習しています。 

 また、本学の障がいのある学生のサポート窓口であるCDS(Center for disabled Students)職員の半田タユ美氏と協力し、学生たちと教員・職員が共に障がい理解への促進に取り組んでいます。

 9回目となる今回は「ソーシャルアクションのリアル」というテ-マの元、不登校・ひきこもりピアサポートグループ「YURUMI」の代表である園田章氏をゲストスピーカーにお招きし、「ソーシャルアクションのリアルー社会、市場、イノベーションー」をテーマに、オンラインによる講演会を開催いたしました。

 ひきこもりの当事者でもある園田氏のリアルな話を聞けたことで、将来へ漠然とした不安を持っていた学生など、自分自身の価値や可能性について考える良い機会になった様子でした。

 現在、学生たちは、ソーシャルアクションとして障がい理解のための授業を行ったり、ブログを立ち上げる準備などの活動を行っています。実話や対話を重視している花田ゼミ、そこで学ぶ学生たちの今後益々の活躍に期待が高まります。

※ソーシャルアクションとは、 政策や制度の改善を目指し、世論を喚起するなどして立法・行政機関に働きかける組織行動です。

以下、今回の講演会に参加した学生のレポート(一部抜粋)をご紹介します。

私たちはこの度、不登校・ひきこもりピアサポートグループ「YURUMI」を立ち上げた園田章さんからお話を聞きました。
 園田さんは、自身も引きこもりの当事者としての経験があり、同じく当時者であった弟さんの自殺を機に、引きこもりへの援助を目的としたNPO団体を立ち上げました。今回、「ソーシャルアクションのリアル」というテーマのもと、これまでの経験を元にした園田さんの考えを教えていただきました。
 園田さんは、「社会を擬人化するな」といいます。社会の中にはバラバラな好みを持った「個人」がいて、それらの人が合意できる範囲はかなり狭い。そのことから、「社会を良くする」ということも定義できず、ソーシャルアクションにも限界があると仰っていました。それは、「社会」を主体とするのではなく、「個人」にフォーカスをすることで、初めて効果的なソーシャルアクションを起こすことができるということでした。「社会を良くする」ために動いている政府に対して、違和感を抱いていたのもこのためか!と気づき、すっきりとした気持ちになりました。また、その過程で、様々なことにチャレンジし、いろいろな人に関わり「あそんでもらう」ことが大切だという教訓を頂きました。
 今まで、漠然と「社会のためになること」をしたいと考えていましたが、霧の中を模索しているような感覚でした。ボランティア活動などに参加して、自分にできることは何か考え続ける日々でした。そんな中、視界がよりクリアになるための方法や心持ちを教えていただき、将来への不安が少し軽くなったような心地がしました。
 これから、困難な事や予期せぬ事が起こるかもしれませんが、そのたびに「人生楽しんだもの勝ち」の精神で、一歩踏み出すことができるようになったと思います。安定した職業に就くというような「社会的な成功・正解」だけに囚われず、「こうなったらいいな」や自分の興味・関心を生かして活躍できる、「私の成功・正解」を見つけていきたいです。そのために、今を大切に、この学び舎で、素敵な仲間と共に切磋琢磨していこうと思います。
 園田さんのお話から、これから社会に出ていく学生として、とても大事な考え方を教えていただいたと思います。また、自分の持つ価値と可能性について改めて考えさせられ、自身を奮い立たせることができた時間になりました。
 自分が一番やりたいこと、できることは何なのかまだ明確ではないですが、園田さんから頂いた数々の素晴らしい言葉を胸に、素敵な人生計画を立てていきたいと思います。

ゲスト講師 プロフィール:園田 章氏
ひきこもりの当事者・経験者/オックスフォード大学経営管理大学院を修了後、不登校・ひきこもりピアサポートグループを起ち上げ、生きづらさの当事者に社会参加の機会を提供