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教育・研究
2025.01.14

【受賞報告】工学部 大澤義明教授が第38回応用地域学会研究発表大会で論文賞を受賞

 本学工学部の大澤義明教授が、2024年11月30日に九州産業大学で開催された第38回応用地域学会研究発表大会にて「2024年度応用地域学会論文賞」を受賞しました。

 本論文は、衆議院議員選挙における選挙区割の問題点を背景に、より望ましい区割をもたらす仕組みを提案し、大規模データによりその効果を実証したものです。
 以下、学会の選定理由です。
「注目する現行の区割の問題点は、(1)
一票の重みの格差、(2) 行政圏と生活圏の乖離、(3) シルバー民主主義であり、生活圏と調和した同一選挙区内の「交流度」を定義し、それを最大化するように整数線形計画問題を解くことで、この問題の解決・是正を試みています。また、興味深い点は、NTTドコモの携帯電話利用の大規模データを用いることで交流度を測っていることと、世代別の選挙の可能性を考慮し、若年層と老年層で別々の選挙区を設定して若年層の意見を反映させる仕組みも組み込んでいるところにあります。この手法を茨城県と栃木県に応用し、現行よりも一票の重みの格差を是正しつつ、交流度も高い(より生活実態に即した)選挙区割を導いており、実際に活用できることを示しています。いくつかの課題は残されているものの、より適した選挙区割を提案することでより適切な議員が選ばれ、ひいては国と地域を改善しようという本論文の目的や貢献は本学会の志向と一致します。」
 このような視点から、本論文は2024年度の応用地域学会論文賞に相応しいものであると判断され、本賞を受賞しました。

論文名:生活圏と世代を意識した選挙区割
掲載誌:応用地域学研究 2023 巻 27 号 pp.28-36
著 者:松原 千波・鮏川 炬義・大澤 義明

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【教員プロフィール】

大澤 義明(おおさわ よしあき) 麗澤大学教授

1959年青森県三沢市生まれ。1987年筑波大学大学院社会工学研究科都市地域計画学修了、熊本大学助手、筑波大学講師、助教授を経て、2002年より教授。2024年から麗澤大学教授。2001年日本OR学会文献賞、2008年日本都市計画学会論文賞、2015年内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局主催・地域創生☆政策アイディアコンテスト2015地域創生担当大臣賞を受賞。著書に「巨大地震による複合災害ー発生メカニズム・被害・都市や地域の復興ー」(筑波大学出版社、2015年)、「スマートモビリティ時代の地域とクルマー社会工学アプローチによる課題解決ー」(学芸出版社、2023年)など。論文に「A spatial tax harmonization model」(European Economic Review,2003年)、「Equity-efficiency bicriteria location with squared Euclidean distances」(Operations Research,2008年)、「水面俯瞰景の評価ー千波湖借景と樹木成長との関係を対象にー」(都市計画論文集、2023年)、「相続時調査データによる相続と空き家発生との関係分析」(都市計画論文集、2023年)など。学術博士。