お知らせ
【開催報告】ANA現役客室乗務員による特別講義を実施
2025年6月23日、外国語学部の授業「Airline Industry English / Hospitality English」(担当:ANA総合研究所 村松絵里子 講師)にて、ANA(全日本空輸株式会社)の現役客室乗務員・山本穂乃香様をゲストスピーカーにお招きし、特別講義が行われました。
本授業では、エアライン業界におけるお客様対応の英語表現や、接遇マナーに即した丁寧な言葉遣いを実践的に学びながら、ホスピタリティの本質についても深く考察することを目的としています。航空業界ではお客様接点のデジタル化が進む一方で、人にしかできない温かなコミュニケーションの価値が見直されており、本授業ではそれを体現する学びの機会が提供されています。
講義の冒頭では、山本様がご自身の歩みとANAでのキャリアについて真摯に語ってくださいました。入社した2020年は、新型コロナウイルスの影響で航空業界が大きな打撃を受けた時期であり、フライトの機会が限られる中、山本様は自ら語学留学に挑戦し、韓国での学びを通じて自己研鑽に励んだそうです。復職後はキャリアを積み、現在では主客室乗務員資格を取得し、国内外のフライトに乗務されています。
講義では、機内での保安業務やサービス業務の具体的な内容、乗務前のブリーフィングやプリフライトチェック、安全確認の重要性など、現場ならではの実践的なエピソードが紹介されました。特に、乗客一人ひとりの様子を見極めながら最適なサービスを提供しようとする姿勢や、限られた時間の中でも「ANAを選んでよかった」と感じてもらえるよう心を込めて応対する姿が印象的でした。
また、乗客との英語でのやり取りにおいては、「伝える」だけでなく「伝わる」英語、すなわち相手の立場に立った表現や所作の大切さについて語られました。ネイティブのように完璧に話すことよりも、安心感を与える気遣いや、笑顔・目線・声のトーンなど非言語的な要素を通じて気持ちを伝えることの重要性が、英語を学ぶ学生たちにとって深く響いたようです。
ANAの取り組み「ANA's MAGIC」についても紹介され、お客様との対話をきっかけに生まれたメッセージプレートやデザートプレートなど、乗務員一人ひとりの個性と工夫が生きたエピソードが語られました。チョコペンだけでなくハーブティーなどを活用して色彩を表現するなど、現場の創意工夫とチームワークの豊かさが伝わってきました。
講義の終盤では、ANAの客室乗務員のキャリアパスについても詳しく紹介され、専門訓練から始まり、パーサー、チーフパーサー、チームコーディネーター、クオリティリーダー、管理職と段階的にステップアップしていく仕組みが説明されました。「成長を続けられる仕組みがある」「一人ひとりの個性が活かされる職場」といった言葉は、進路を考える学生たちにとって大きなヒントとなりました。
質疑応答では、「客室乗務員とグランドスタッフの違いや、それぞれの魅力を教えてください」「ライフステージの変化に伴う離職率について知りたいです」「これまでで一番印象に残っているサービスは何ですか」など、学生たちから多くの質問が寄せられました。
今回の特別講義は、ホスピタリティの最前線で活躍するプロフェッショナルから直接学べる貴重な機会となりました。英語という言語を超えて、相手を思いやる心と行動の在り方について深く考える、実りある時間となりました。
山本様
講義の様子
学生が質問している様子
山本様と村松講師
学生の感想
・説明会に参加する前にこうした講義に参加できることで、興味はあるけれど一歩踏み出せない人でも気軽に話を聞くことができるのが、とてもありがたいと感じました。自分の就職活動の視野が広がるきっかけになったと思います。
・私は客室乗務員を目指しているのですが、今回のお話を聞いて、より一層その気持ちが強くなりました。