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教育・研究
2014.03.28|最終更新日:2020.07.24|

2014年度 欧州銀行監督規制の再構築と主要銀行の経営戦略

リーマン危機後の銀行監督のあり方は大きく変貌を遂げている。ユーロ圏では新たな欧州金融安定化基金や銀行監督制度の導入が進み、統合された銀行監督規制への流れが加速している。並行して、ユーロ圏以外の国々においても銀行制度改革が進捗している。 
EUの銀行監督規制体制の構築においては、ECBの監督機能の急進的な強化が進められる一方、域内各国の進展は同一歩調で進行しておらず、既存の国内監督体制との整合性に課題が残されている。ギリシャなど金融救済を含む局面では、資金投入をめぐり、税財政に及ぶ政策的課題が重くなっている。
現行の重層的な銀行監督・金融規制体制の一元化へ向けての構造的変化において、域内各国が機能しうる監督体制をいかに実現するかが喫緊の課題である。金融規制監督の一元化へ向けての動きは、域内各国間および所在する金融機関間の
利害対立を引き起こす。ユーロ圏対非ユーロ圏、大陸欧州対英国、銀行、証券等規制監督当局間の規制体制をめぐる欧州内各層関における確執が顕著となっている。

 本研究では、銀行監督規制の観点からEUならびに各国当局の動き、主要銀行の対応、戦略動向等について取りまとめ、欧州域内金融市場間の競争力の展望についても考察する。

 

◎佐久間 裕秋 経済学部・教授