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教育・研究
2015.07.31|最終更新日:2020.07.31|

外国語学部客員教授 鈴木小百合先生による特別講義

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7月27日(月)、外国語学部日影ゼミ・渡邊ゼミ合同で毎学期恒例となっている鈴木小百合先生(外国語学部客員教授)の特別講義が行われました。
主にハリウッドスターが来日して行う映画のプロモーション時に欠かせない存在となっている鈴木先生ご本人から前回1月21日以降の通訳体験を中心にお話しいただきました。鈴木先生はこの間『マッドマックス: 怒りのデス・ロード』のジョージ・ミラー監督の通訳などを担当され、トム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』の通訳も担当予定です。また世田谷パブリックシアターで上演される朗読劇『この子たちの夏 1945・ヒロシマ ナガサキ』を同時通訳なさいます。今回もゼミ生だけでなく、関心を持った大勢の学生が参加。体験談を交えた鈴木先生の興味深い話を熱心に聴講していました。

以下、講義に参加した、英語英米文化専攻3年 中原梨花さんのリポートを紹介いたします。

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今回、鈴木小百合先生は、これまでに経験してきた通訳のお仕事や、ハリウッドスターや監督への通訳の様子を写真と共に説明してくださいました。鈴木先生はこれまでに数々のハリウッドスターや監督などの通訳をされており、今回も一人一人の印象やたくさんのエピソードをお伺いすることができました。
皆さんがよくご存知のジョニー・デップはこもった話し方をするため声を聞き取るのが大変だったり、ジョージクルーニーはひょうきんでよくジョークを言う半面、男らしくてかっこいい一面があるなど。普段なかなか知ることのできないハリウッドスターの素顔を知ることができとても楽しかったです。一方で最近の若い俳優の言葉の使い方についていくのが大変だったり、私たちが普段から日本語の中に交えて使っている英語に反応し勘違いする方もいるなど、通訳の現場でのちょっとしたハプニングから笑えるエピソードまでお話しくださいました。
その中で鈴木先生が何度か口にしたのが「一期一会」という言葉です。これまでに数えきれない程の方々に通訳してきた鈴木先生ですが、もともと演劇関係の通訳をしていて、ある方との出会いが縁となり、新しい大きな仕事や通訳以外の仕事も受け持つようになったそうです。最初に出会った時の印象が非常に大事でその時その時を誠心誠意頑張ること、と鈴木先生はおっしゃいます。今後二度とお会いすることがなくても、いい思い出にしたい。その時間を大切にしたい、というこの仕事にかける思いや通訳する方への思いやりが見られました。こうした人とのつながりや出会いを大切にする姿勢が鈴木先生の人生に大きなチャンスをもたらしたようです。通訳のお仕事を始めて何十年たった今でもこの仕事を楽しんでる様子がとても素敵でしたし、職業人としてのパワーを感じました。
今回お話を伺って、通訳のお仕事はその都度いろいろな出会いや発見がある素敵なお仕事だということ。そして「一期一会」という言葉。一つ一つの出会いを大切にすると、予期せぬチャンスや新しい出会いに恵まれ、それが自分の仕事の向上にも繋がるのだと学びました。私自身も今日こうした鈴木先生との素晴らしい出会いを大切にしたいです。鈴木先生、貴重なお時間を本当にありがとうございました。

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受講生と集合写真

外国語学部客員教授 鈴木小百合先生プロフィール

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鈴木先生は8歳から14歳までオーストラリアのシドニーで過ごされ、帰国後、聖心インターナショナルスクールで学ばれました。国際基督教大学(異文化コミュニケーション専攻)卒業後、広告代理店勤務などを経て、フリーの通訳・翻訳者に。演劇の現場での通訳としてスタートを切られ、その後、戯曲翻訳を手がけるようになりました。2007年には、戯曲翻訳の2作品で「第14回湯浅芳子賞」を受賞されています。
通訳としては映画のプロモーションで来日するハリウッド・スターや監督たちの通訳を担当。さらに東京国際映画祭での通訳を20年以上に渡り務めており、オープニング・セレモニーや授賞式、舞台挨拶や記者会見などでは、歴代総理大臣、及び各国の映画監督、製作者、俳優の通訳も担当されました。