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教育・研究
2018.03.19|最終更新日:2020.07.31|

情報系卒論発表会の優秀発表を表彰(情報教育センター)

学位記授与式で久しぶりにキャンパス内が賑わった3月14日,情報系卒論発表会の優秀発表の表彰式がおこなわれました。この発表会は今年で16回目,外国語学部,経済学部から合計19件の発表がエントリーして1月28日に開催されました。発表会は昨年度から情報教育センターの主催となり,広く発表募集がおこなわれた結果,さまざまなゼミから発表者が集まり,発表テーマもいっそう多彩になりました。

厳正な審査の結果,表彰をうけた発表は以下のとおりです。

最優秀賞

山地 美吏さん(外国語学部英語・英米文化専攻・千葉ゼミ4年)

「Unityを使った低コストで身近なVR開発―スマホで見るVR美術館―」

受賞理由:

この研究は近年技術躍進が著しい仮想現実(VR)について、フリーウェアのみを用いて実際にVR映像の制作をおこなうという挑戦的なもので、複雑な開発手順を長期間にわたって追い、技術的課題の克服を果たし作品として完成させたことは驚嘆に値する。また、コストと「酔い」という現在VRが抱える問題をどのように克服することができるかを作品制作の中で試行錯誤し、その解答を説得的に提示したことは大いに評価することができる。この研究で得た知見を今後社会に出てもぜひ生かしてほしい。

優秀賞・情報教育センター長賞

大道 聖斗さん(経済学部経済学科・大塚ゼミ4年)

「Moodleシステム用自動ログインツールの試作」

受賞理由:

この研究はコース管理システムMoodleのユーザ登録システムを提案したものである。前年度の研究で発表者が用いたシステムのしくみを改良し、ユーザをまとめてログインすることで未ログインのユーザーの一斉登録をおこなうという、現在の本学Moodleの管理者にとって福音となる重要な機能を実現している。さらに,本研究では、開発した自動ログインシステムの実証試験をおこない、開発ツールによる大量ユーザの登録の負荷にシステムが充分耐えられることを実証しただけでなく、エラーの処理とその解決方法についても示すなど、すぐにでも実運用が可能なレベルにまでツールの完成度を高めた。これらの成果を高く評価し、優秀賞に加え情報教育センター長賞を授与するものである。

優秀賞

富田 さやかさん(外国語学部英語コミュニケーション専攻・匂坂ゼミ3年)

「HTML5を用いた漢字学習支援システムの開発」

受賞理由:

この研究は漢字学習を漢字を勉強する外国人に限らず、キーボードを使用できない子供達にとっても有効となるよう、日本語環境の整っていないコンピュータ上で行うよう設計し、Canvasの機能を駆使して正解・不正解の複雑な判定処理を実装した点が画期的である。課題を的確に絞り込んだうえで、技術的な解決をめざして取り組む意欲的な姿勢を高く評価するとともに、今後より大規模なシステム、より精度・効果の高いシステムを開発できるよう、さらなる挑戦を期待したい。

特別賞

君山 力斗さん(経済学部経済学科・上村ゼミ4年)

「株式投資における税金の影響」

受賞理由:

この研究は税金を考慮にいれると単純な買い持ち戦略が望ましくなることを実証的に示したものである。通常の投資理論では無視されがちな税金に着目した独創性をまず評価したい。また,株式投資に馴染みのない個人にむけて、的確なデータを伴う説得的な論を展開したことについて、特に発表でのプレゼンテーションの評価が非常に高かったことと併せ、本発表会にこれまでなかった種類の貢献をしてくれたことは言及に値する。

奨励賞

浦谷 孝太朗さん(経済学部経営学科大塚ゼミ3年)

「学内Wi-Fiサービスの接続状況調査」

受賞理由:

学内の無線LANサービスの繋がりやすさ、強度や速度の現状を調査する、という本学情報システムが抱える課題のひとつに取り組んでくれたことを何より評価したい。既存アプリを駆使した生涯教育プラザ棟の調査を通じ、ヒートマップ作成により問題がある地点の特定とそのプロファイリングをおこなったこと、また2.4GHz帯と5GHz帯の混雑状況の違いを明らかにしたことなど、調査内容は大いに参考になるものであった。今後さらに論点と問題の絞り込みを行い、発表者からの具体的な提案に結びつくようなより深い調査課題に取り組んでくれることを期待する。

奨励賞

臼井 拓未さん(外国語学部日本語・国際コミュニケーション専攻・匂坂ゼミ3年)

藤井 駿さん(外国語学部日本語・国際コミュニケーション専攻・匂坂ゼミ3年)

「HTML5のCanvasを用いたリアル福笑いゲームの制作」

受賞理由:

「福笑い」は平面上での画像並べである、この研究ではこれらに時間軸を加え、順序関係のパズルという新しい視点をシステムとして構築した。HTML5 のCanvasを用いることで動画から作成した順不同の画像を再構成して表示する、というアイディアを実装し、それをゲームとして組み立てるまでの試行錯誤が研究全体から読み取ることができ、大変面白かった。着想から設計、実装という一連の開発手順に習熟し、今後さらに柔軟な発想を生かし独創性のある面白いシステムを組み上げていってほしい。

奨励賞

大野 菜々子さん(経済学部経済学科・吉田ゼミ3年)

「AIロボットは家族になり得るか―新しい家族の在り方とAIロボットとの関係―」

受賞理由:

この研究はAIロボットの受容度に関する研究である。AIロボットを家族として受け容れるか、というかなり未来的な状況を前提とした議論が進められていることは留意すべきであるが、このような新規性のあるテーマを独自の視点で仮説検証した点を評価したい。AIロボットがもつ役割は今後さらに広がっていくだろうということを鑑みると、将来の方向性を見据えつつ現状に鋭く切り込む調査・分析をおこなうことで、AIと人間の将来に関わる重大な課題の発見に繋がる可能性があり、今後のさらなる研鑽を期待したい。


表彰式では、まず千葉庄寿情報教育センター長から受賞者一人ひとりに賞状と副賞が授与されました。その後、講評をおこなった千葉センター長から、今年も興味深いテーマの発表が多く、論文のレベルも非常に高かったこと、卒業する4年生はこの経験を自信とし、社会に出てもますます頑張ってほしい、今年発表した3年生にはより高いレベルの研究をめざしていってほしい、という激励の言葉があり、集まった関係者は気持ちを新たにしていました。

講評する千葉センター長

情報教育センターからは、各賞の受賞者に副賞が授与されたほか、発表者全員にも参加賞が贈られました。学生からは、大いに励みになる、来年もぜひ頑張りたい、という声が聞かれていました。来年度も、より多くの学生が参加し、さらに高いレベルの研究発表を聞くことができることを期待したいと思います。

最後に皆で記念撮影
おめでとうございます!

2017年度 麗澤大学情報系卒論発表会 発表論文集(PDF)

発表論文および発表資料は編纂され、Web に公開されています。過去の発表会の記録を含め、ぜひこちらよりご覧ください。