お知らせ
情報系卒論発表会の優秀発表を表彰(情報教育センター)
学位記授与式で久しぶりにキャンパス内が賑わった3月14日,情報系卒論発表会の優秀発表の表彰式がおこなわれました。この発表会は今年で17回目,外国語学部,経済学部から合計22件の発表がエントリーして1月27日に開催されました。発表会は昨年度から情報教育センターの主催となり,広く発表募集がおこなわれた結果,さまざまなゼミから発表者が集まり,発表テーマもいっそう多彩になりました。
厳正な審査の結果,表彰をうけた発表は以下のとおりです。
最優秀賞
中村 壮志さん(経済学部 経営学科 4年・大塚ゼミ)
「音声呼び出し機能付き順番待ちシステムの試作」
受賞理由:
この研究は,低コストで待ち行列を整理するシステムを開発するもので,実際に運用可能なシステムを提案した点が高く評価された。学生証に実際組み込まれているICチップを応用して簡単に行列整理に応用できることが示されており,このような基礎技術の応用研究は後輩への大きな励みとなるものであり,高く評価できる。今後もこの研究で得た知見を生かし,社会人としてますます活躍してくれることを期待する。
優秀賞
仲川 顕さん(外国語学部 英語コミュニケーション専攻 4年・匂坂ゼミ)
「JAVA とMIDI 鍵盤を活用した聴奏クイズアプリケーション『めざせ聴奏マスター』の開発」
受賞理由:
この研究は,発表者が自分の音感を鍛えるために,音楽教室等で行われている単音や和音を当てる音感テスト「ハーモニー聴奏」のシステムを開発したものである。問題(和音)を聞いてMIDI鍵盤を押して回答する形式としたことで,実際に演奏しているかのように答えられるよう工夫されているほか,技術的に難しい判定の実装にも成功した。昨年度よりも洗練されたシステムになっており,アイディアの発展や技術的な成熟をみることができる今回の研究は,後輩にとって大いに参考になるだろう。
優秀賞
小池 香さん(外国語学部 ドイツ語・ドイツ文化専攻 3年・匂坂ゼミ)
「Java を用いたドイツ語作文サポートシステムの開発について」
受賞理由:
この研究では,ドイツ語の文法規則をフローチャート化し,ドイツ語作文に出てくる語形が正しいかを確認する仕組みを考案している。今回は,最低限の品詞データをまとめた簡易辞書を作成し,名詞,形容詞,代名詞の格変化の検証ができるプロトタイプシステムを実装した。この研究は,ドイツ語という言語をよく知っており,さらにプログラミングやシステム開発の知識と経験がなければ思いつかないものである。言語やコミュニケーションを学ぶ学生の視点ならではの発想であり,今後の取り組みにさらに期待したい。
特別賞
臼井 拓未さん(外国語学部 日本語・国際コミュニケーション専攻 4年・匂坂ゼミ)
「Web-based 数学学習システム「数学Math(マス)-Math(マス)できMath(マス)ね」の開発」
受賞理由:
この研究では数学の家庭教師のアルバイトをしている発表者が,「ヒントの提示方法」に着目し,数学の図形の問題を例に,解答だけでなくパズルや解説を表示し,楽しみながら苦手克服につながるような学習システムを作成している。実装したシステムはシンプルながらもWebのリンクや画像グラフィックスをフルに活用しており,直感的で理解しやすいものになっている。また,発表者の研究発表の説明はわかりやすく,聴衆のプレゼンテーションの評価が一番高かった。家庭教師をしている教え子への優しさが伝わった発表であった。
奨励賞
土屋 志絵莉さん(外国語学部 国際交流・国際協力専攻 3年・千葉ゼミ)
「麗澤版フィンランド語基礎語彙集の構築」
受賞理由:
フィンランド語の学習においてキーとなる語彙習得の問題を克服するため,発表者らが自主企画ゼミナールで構築したフィンランド語の語彙リストを紹介し,その改善にむけた提案をおこなった。発表では,フィンランド語の言語データベースを使って語彙の出現頻度を調べて語彙リストの評価をおこない,現在の語彙リストの改善にむけた方向性を説得的に示した点が評価された。今後,目標とする語彙リストのオンライン公開にむけて,さらに研鑽をすすめてほしい。
奨励賞
鄧 唯(トウ イ)さん(経済学部 経営専攻 3年・吉田ゼミ)
「中国人観光客向け爆買い促進プラットフォームの提案」
受賞理由:
本報告は発表者がアルバイト先のドラッグストアにおいて感じ取った課題をベースとしている。「中国人観光客の多くがドラッグストアにおいて日用品や医薬品を購入している。なぜ医薬品の説明がもっとわかりやすい形式で多言語化されていないのか?」という問題意識のもと,発表者はドラッグストアにおける業務を効率化し,医薬品メーカーと顧客である中国人観光客の利便性を高めるプラットフォームアプリの提案を行った。マネタイズの仕組みまで考えている点に特徴があるほか,カスタマージャーニーなどのフレームワークを用いてわかりやすく発表している点も評価できる。
奨励賞
濱田 あきみさん(外国語学部 英語コミュニケーション専攻 3年・千葉ゼミ)
「WordPress のテーマ機能を活用したゼミサイトの構築」
受賞理由:
オープンソースのCMSであるWordPressのテーマ機能を用いながら,複数の大学ゼミナールの情報を統括するWebサイトを構築するプロジェクトについて報告した。サイトのコンセプトメイキングやサービスの構築に必要なシステムの紹介は的確であり,CSSを用いたシンプルなサイトデザインも説得的で好感がもてるものであった。発表時点では,残念ながらWordPressのマルチサイト機能を動作させるに至らなかったが,今後システムの検証と実装をすすめ,是非サイトを完成させてほしい。
奨励賞
佐久間 佑尽さん(外国語学部 英語・リベラルアーツ専攻 1年・匂坂ゼミ)
「HTML、JavaScript を利用したcanvas 作品の制作」
受賞理由:
この研究ではHTMLとJavaScriptのCanvasを用いたボールゲーム作品を制作した。時間の経過や操作(跳ね返り角度や変化,時間制限,障害物)によって徐々に難易度があがっていくなど,プレーヤを楽しませる細かな工夫が随所に施されている。作品の完成度は高く,プレゼンテーションもわかりやすかった。まだ1年生ということで,今後さらに夢のある作品や,実際に世の中で役立つような実用的なシステムの研究開発を期待したい。
表彰式では、まず千葉庄寿情報教育センター長から受賞者一人ひとりに賞状と副賞が授与されました。その後の講評では、今年も興味深いテーマの発表が多く、論文のレベルも非常に高かったこと、卒業する4年生はこの経験を自信とし、社会に出てもますます頑張ってほしい、今年発表した3年生にはより高いレベルの研究をめざしていってほしい、という激励の言葉があり、集まった関係者は気持ちを新たにしていました。
情報教育センターからは、各賞の受賞者に副賞が授与されたほか、発表者全員にも参加賞が贈られました。学生からは、大いに励みになる、来年もぜひ頑張りたい、という声が聞かれていました。来年度も、より多くの学生が参加し、さらに高いレベルの研究発表を聞くことができることを期待したいと思います。
2018年度 麗澤大学情報系卒論発表会 発表論文集(PDF)
発表論文および発表資料は編纂され、Web に公開されています。過去の発表会の記録を含め、ぜひこちらよりご覧ください。