経済社会総合研究センター 研究活動

2008年度 つくばエクスプレス開通と沿線整備による経済効果測定のための地域計量モデルの開発

プロジェクト内容

2008年8月につくばエクスプレスは開業3周年を迎える。ここまで、つくばエクスプレスは比較的良好な営業成績で推移していることもあり、沿線周辺は土地利用の転換が進んでいる。つくばエクスプレスでは建設に当たり宅鉄法の制定など、従来の鉄道建設プロジェクトよりも鉄道建設と沿線開発の一体化が強調されている。そのため、沿線開発は点として存在しているのではではなく、沿線に連続し、かつ同時に行われていることもつくばエクスプレス沿線における特徴である。例えば、千葉県内だけでも柏の葉駅や流山おおたかの森駅周辺などをはじめ6地区で区画整理事業による駅前周辺の整備と宅地開発が進んでいる。このようにつくばエクスプレスの開通は沿線地域の社会構造や経済構造に大きな影響を与えているが、鉄道開通後にこれらの開発効果を定量的に把握した事例は現状では非常に限られている。さらに、鉄道開通前に行われた開発効果の定量化予測は、実施時期がバブル期と重なっているため郊外住宅の需要圧力が非常に高かったこと、環境負荷に対する意識が現状と比べると低かった点などもあり、現状では予測が異なっている可能性も考えられる。
そこで本研究では、千葉県北西部から茨城県のつくばエクスプレス沿線地域を主な対象とする地域計量モデルを作成し、つくばエクスプレスの開発効果を定量的に把握することを最終目標としている。本年度は、モデル開発のために必要な各種の地域経済データの整備と既存の地域計量モデルのサーベイを行う。そして、サーベイ結果を用いてモデルを作成し、作成されたモデルの検証と評価までを行うことを目標とする。

プロジェクトメンバー

◎佐藤 仁志   経済学部・准教授
 小野 宏哉   経済学部・教授
 清水 千弘   経済学部・准教授
 徳永 澄憲   筑波大学・教授