【開催報告】ROCK特別講演会2018前期第3回:アール・キンモンス氏 ご講演
2018.8.3

7月21日(土)10:00~12:05
講 師:アール・キンモンス 氏(大正大学名誉教授、教育社会学)
テーマ:「英語圏のマスコミにおける日本のイメージ ~なめられている日本と日本人~」
受講者:171名

 

平成30年度麗澤オープンカレッジ特別講演会(後援:千葉県教育委員会、柏・流山・松戸・我孫子・野田各市教育委員会および柏商工会議所)の前期第3回を7月21日(土)に開催しました。前期最終回の今回は、アール・キンモンス氏を迎え、英語圏のマスコミにおける日本のイメージ ~なめられている日本と日本人~と題してご講演をいただきました。当日は朝からうだる様な暑さが厳しい日でしたが、171名もの方々が会場に集まり、キンモンス氏のご講演を聴講されました。

岩澤カレッジ長は講演に先立ち、マスメディアの報道には視聴者や報道する側が見たいところだけを伝える一面的な傾向が見られることを挙げ、欧米のマスコミが日本をどう伝えているかを研究しているキンモンス先生のお話は、我々が普段気づかない海外メディアの真の姿を知る貴重な機会だと期待を投げかけました。

 

冒頭、キンモンス氏は受け持つ大学の講義でのひとコマをご紹介くださいました。留学生に本国で日本についてどのような報道がされているか聞くと、日本の真実から歪んだイメージが伝えられていることを知ったそうです。また、国内では“Cool Japan”と称し海外が日本文化を賞賛するテレビ番組が増えていますが、現在は非常に強いプラスイメージとマイナスイメージが同時に存在している状態で、その背景を知ることは、常に正確な比較対象と検証資料を見定め、自ら考え調べることの重要性に通じることだと、ご講演を通じて強く発信いただきました。

 

日本についての英文記事は、日本や日本人をユニークな存在と位置づけることで、むしろ直接的・間接的に「日本」を貶めることになっているものも多いそうです。その事例として、日本について書かれた「少子高齢化」「保守的文化」「自殺・いじめ・孤独死」「マタハラ」「レンタルフレンド」などをテーマにした記事の真偽が、事実と異なる報道記事になっていることを、統計データを基にご紹介いただきました。それは世界的にも有名な大手新聞社の記事でも見られます。日本と同等の状況である欧州各国の状況を比較対照として記すと、日本が「変わった国」ではなく、ヨーロッパの中流国と同じ印象になってしまい、記事の面白さが下がると考えられる側面もあるそうです。日本ではいじめでの自殺はニュースで取り上げられますが、イギリスでは模倣誘発を避けるためメディアが報道自粛している文化的背景の違いや、マタハラのような和製英語と欧米での表現が異なることで日本独特の事象と捉えられがちという点から、「報道されているからといって俯瞰的に見て事象が多く起こっているとは言えず、報道が少ないからといって事象が少ないとは限らない」という言葉は、報道の受け手側の姿勢を考えさせられるものでした。

最後に聴講生との質疑応答時間を多く割き、フェイクニュースも流れる現代に歪んだイメージを伝える情報が世界的に発信されることへの対処法を聞かれたキンモンス氏は、「それら報道を取り上げるとかえって彼らの宣伝となりかねない。同じことが中国や韓国に関する内容だと彼らは英語ですぐ反発してくるが、日本はその術が弱い傾向がある。」と課題を示されました。2時間のご講演は笑いを交えたわかりやすい事例紹介も多く、キンモンス氏の魅力的な人柄もあり、あっという間に閉幕を迎えました。

 

特別講演会前期は今回で終了です。今期は報道の裏側にある真実を知ろうとする姿勢の重要性を考える機会となりました。後期も10月より全3回シリーズで開講します。初回は俳優のかとうかず子氏をお招きし、「出会うこと 知ること 俳優ということ」と題し、10月20日(土)開催予定です。申込方法や詳細についてはROCK-HPよりご確認ください。

 

[2018年度前期の記録]

第一回 呉 善花 氏(オ ソンファ、拓殖大学教授・評論家)テーマ:「韓国と北朝鮮は何を狙っているのか」

第二回 衛藤 晟一 氏(内閣総理大臣補佐官・参議院議員) テーマ:「現在の政治情勢とこれから」

 

(麗澤オープンカレッジ[ROCK])