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2018.11.29|最終更新日:2020.07.29|

【開催報告】11/18 経済学部山下ゼミ 第7回ヒューマンライブラリー

平成30年11月18日(日)13:00~15:30。
日本初の路上ライブ「ヒューマンライブリー」ということで、「多文化共生を促す:他者の世界観を知り、自己の世界観を広げる」をテーマに、第7回「ヒューマンライブラリー」を、「まちなか学校」のイベントと同時開催しました。ヒューマンライブラリー(HL)とは、2000年にデンマークで発祥した対話型のイベントで、様々な価値観、経験を持つ人が「生きている本」(語り手)になり人生体験を語ります。読者(聴き手)は自分自身についても考える機会を得ることができ、偏見の低減や多様性に開かれた社会の実現が期待できる取り組みです。

一般社団法人柏アーバンデザインセンター(UDC2)から、まちなかアクションサポート2018助成金をいただき、ダイバーシティー施策や多文化共生推進活動を行っている柏市で、それを支援したい学生が集まる私たちゼミ生の意向がマッチし実現しました。

さて、今回の本役ですが、以下の3人の魅力的な「生きている本」の方々にご参加いただきました。

1.「日本生まれ、パキスタン育ちの私:ふたつの文化の間で思うこと」
麗澤大学経済学部グローバル人材育成専攻1年 アハマド・ルバさん

2.「I am alive. 好きな服で生きていく:性的被害について知って欲しいこと」
A-live connect代表 ト沢彩子さん

3.「日本と中国のふたつの人生を奏でるバイオリニスト」
麗澤大学経済学部グローバル人材育成専攻1年 永峰弥佳さん

本役の皆さん

本役の皆さん

本役を経験して下さった方々の感想は、「自分の考えていることを共有して、自分のモチベーションが上がりました。考えを整理でき、伝えたいことを伝えることができ、元気をもらいました」、「自分の思ったことや経験したことを話せて、自分の中で今まで辛いって思っていたことも明らかになってきたので、とてもよかったと思いました」、「最初は緊張したが、また語りをしてみたい」などがありました。語り手の感想から、語ることが語り手にとって癒しに繋がることも明らかになっています。

読者(聞き手)の皆さんからの感想には、永峰さんの語りに対して、「本役の方の素直さというか、純粋さをかんじることができて、こうして顔と顔を合わせて話ができて良かったです。ヴァイオリンの演奏も素敵でした」、「言葉が話せない、文化の違いで苦労したと聞きましたが、音楽(ヴァイオリン)という文化で繋がることができてとてもよかったです」、ト沢さんの語りに対して「貴重な話を聞けました。社会や同じく性被害にあわれた方たちを支えたり、変えたりするための活動いいなと思いました」、アハマド・ルバさんの語りに対して「アイデンティティに関しての、とてもためになるお話ありがとうございました」。そして、路上での語りのセッションに対して「話を聞けて良かったけど、もう少し静かな場所でもいいかなと思った」などの意見がありました。

最後に、ト沢彩子さんのファシリテーションにより、パネルディスカッションを行いました。本役の3名がパネラーとして行いました。

パネルディスカッションの様子。最後にヴァイオリンの演奏も。

パネルディスカッションの様子。最後にヴァイオリンの演奏も。

受付の様子

受付の様子

日本で初めての試みとなる路上HLで、私たち加藤と岡本は、主に受付として関わりましたが、屋内での受付とは明らかに違いました。それは、HLを知らない人の関心を惹きつけることの難しさでした。建物内で行うHLでは、HLを目当てで来る人がほとんどだったので、受付でもHLのことを一から説明する必要がなかったのですが、路上HLでは受付でHLについて質問されることが何度かありました。難しかったのが、短い時間で分かりやすくHLの良さを伝えることでした。HLを全く知らない人にHLを説明するのはとても難しいことです。HLの良さを伝え、相手に興味を持ってもらうにはどうすれば良いのかという課題が残りました。

今回は、寒空の下路上で行ったため、期待していたよりも読者(聞き手)数が少なかったです。しかし、路上でHLしたことで、より多くの人にHLを知ってもらうきっかけ作りとなったことがよかった点です。そのうえでは路上で開催するメリットが十分にあると考えられます。また、後日皆で行った振り返りでは、「路上では天候が影響するため、周りの雑音や、寒さ暑さをしのぐための工夫が必要であること」、また、「通りすがりの人に入りにくさを感じさせない工夫として、テントはない方がよかった。オープンスペースにすればよかった」、などの意見が出ました。

また、大きな気づきとして、今回の本役に、バイオリ二ストがいたため、語りの最後にヴァイオリンを演奏していただきました。とても哀愁に満ちた美しい音色に、路上を歩く人々が足を止めはじめ人が集まり始めました。これをもって音楽は人を魅了し、ヒューマンライブラリーという、一見よく分からないと思われるイベントでも足を止めて下さる方が増えるということでした。後輩たちには今回の開催の経験を活かして、今後のHLに活かしてもらいたいです。

次回12月1日の第8回目のヒューマンライブラリーは、柏の葉サイエンスエデュケーションラボと協働で柏駅から徒歩5分のYOL Cafe Froshで開催いたします。喫茶店で好きな本を読むように、興味のある本(語り手)の語りを聞きながら楽しくおしゃべりの場を創りたいと思います。申し込みはPass Marketのサイトで可能です。ご興味のある方は是非、お立ち寄りください。最後にヒューマンライブラリー開催において、ご支援くださりました皆様、団体の方々に深く感謝申し上げます。

(経済学部経済学科4年 加藤優佳・岡本真理子)