学生相談室コラム Vol.2 - 花を咲かせて
2019.7.19

 夏がやってきました。木々や草花は花を散らせ種子をつくり、早くもこれからの実生(みしょう)の始まりを告げています。緑が美しく映える季節。いま、学生相談室のある校舎あすなろの庭には緑が夏の光をうけて青青と茂っています。これから暑くなるのでしょうか。

 私は植物が好きです。趣味の一つとして我が家の庭でバラを栽培しています。5~6月には、小さな庭がバラで埋め尽くされます。つるバラをフェンスに這(は)わせたり、オベリスク仕立てにしたり、シュラブローズをこんもりと丸くなるよう苦心したり、芳香を放つ薄紫のバラは、大輪の花を咲かせるように手をかけます。植物は、手をかければかけるほど、よく応えてくれます。

 美しいバラの花を見たければ、花の咲く時期以外でも、様々なことをしなければなりません。かじかむ寒い冬の剪定(せんてい)に始まり、病気に注意し、萎(しぼ)んだものはその都度花殻を摘みます。アブラムシなどがつけば、取り除いてやらねばなりません。もっともその時は、どこからともなく可愛いテントウムシがやってきて、助けてくれます。果実が綺麗な種類は、花殻を摘まずそのままにします。木立性(こだちせい)のものは、夏剪定も行います。

 水をやり、肥をやり、日を当たらせ、根を張らせると、旺盛に元気よく育ち、また新しい生命の芽吹きのように美しい花を咲かせてくれます。それは期待以上です。お日様や雨、テントウムシに助けられ、バラ自身のエネルギーが満ち溢れます。

 学生時代は、エネルギー溢れる若々しさが輝く時代でもあります。バラ栽培でいうと、繊細な期待を胸に柔らかな蕾(つぼみ)をつけはじめる、そんな時期でしょうか。

 さあ、自分自身に、水と肥をやり、日に当たり雨に耐え、時には貴方のテントウムシに助けてもらい、地の下に、のびのびと、根を張りましょう。やがて大輪の花を咲かせるために。

 

アイスバーグ(フロリバンダ ローズ)

1983年、世界バラ会議で殿堂入りした白バラの名花

撮影:2019年7月15日

学生相談室受付 寺本敬子

<用語解説>

実生…種から発芽すること。広義には種から発芽させた苗でつくられた植物も指す。
オベリスク…パイプなどを組んで塔の形に模したつる植物をからませて楽しむ園芸用具。
肥…こやし。肥料(ひりょう)。土壌の養分を豊かにし、作物等の生育を促進する目的でほどこすもの。
フロリバンダ(Floribunda)…バラの系統の一つ。「花を束ねる」の意。枝の先に房咲きでブーケのように咲く。