情報系卒論発表会の優秀発表を表彰(情報教育センター)
2020.3.16

 例年、学位記授与式に併せて情報系卒論発表会の表彰式を執り行っておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、学位記授与式が中止となりましたので、Web上で審査結果を発表いたします。この発表会は今年で18回目、外国語学部、経済学部から合計13件の発表がエントリーして2月1日に開催されました。2016年度より発表会が情報教育センターの主催となり、学内に広く発表募集がおこなわれています。今年もさまざまなゼミから発表者が集まり、発表テーマは多彩でいずれも興味深いものでした。

発表会当日の様子は、こちらからご覧ください。

厳正な審査の結果、表彰をうけた発表は以下のとおりです。受賞者の皆さん、おめでとうございます。また、発表者の皆さん、発表お疲れさまでした。卒業する皆さんの今後のご活躍とお祈りするとともに、3年生の皆さんが来年度さらに研究に磨きをかけて発表会に臨んでくださることを期待しています。

最優秀賞

小池 香さん(外国語学部 ドイツ語・ドイツ文化専攻4年 匂坂ゼミ)

「Javaを用いたドイツ語作文サポートシステムの実装と評価について」 原稿

受賞理由:

 ドイツ語文法の厳密性に注目し、文法的正確さをコンピュータアルゴリズムとして実装し、作文時にサポートできないかと考えたのがこの研究である。ドイツ語初学者にとって困難とされる名詞の性や格変化部分の活用等をサポートすることで、ドイツ語作文能力の向上につなげるのがこの研究のねらいである。昨年度はシステムの主要部分についてフローチャートを用いて設計し、今年度はそれに基づいたシステムの実装と評価まで行っている。
 実装したシステムは、動詞、助動詞の活用がインストールされ、ユーザインターフェースの部分には、言葉のブロックを使って文構造をプランすることができるなど、実用的なシステムとして提案されている。この研究は、ドイツ語という言語をよく知っており、さらにプログラミングやシステム開発の知識と経験がなければ実現できない研究である。言語やコミュニケーションを学ぶ学生の視点ならではのシステムである。今後もこの研究で得た知見を生かし、社会人としてますます活躍してくれることを期待する。

優秀賞

柳 超殷さん(外国語学部 日本語・国際コミュニケーション専攻4年 千葉ゼミ)

「日本語と韓国語のオノマトペの対照分析―『ピーターラビット』翻訳文の比較を通じて」 原稿

受賞理由:

 日本語と韓国語のオノマトペへの深い関心のもと、英語作品を原著とする日韓の翻訳の対照という独自のアイディアを実践した興味深い研究である。原文と訳書を電子化して丁寧に対照し、オノマトペに関する多数の先行研究の知見を理解したうえで作品のオノマトペを分類、記述しており、結果として、日韓のオノマトペの翻訳間にみられる異同を指摘することに成功している。論文原稿や発表の日本語も大変こなれており、学部留学生が到達できるアカデミックな日本語として非常にレベルの高い研究となっており、この点も高く評価したい。

優秀賞

土屋 志絵莉さん(外国語学部 国際交流・国際協力専攻4年 千葉ゼミ)

「麗澤版フィンランド語学習語彙集の整備と公開」 原稿

受賞理由:

 2018年度の研究から引き続いて、日本語を母語とするフィンランド語学習者のためのフィンランド語の基礎語彙集の構築を手がけた。作成した語彙集を評価するため、フィンランド語ネイディブおよびフィンランド語教師に語彙の重要度に関するアンケートを実施し、結果をカッパ係数を用いて比較して重要度の判定をおこない語彙集の質を高めている。
 日本語によるフィンランド語の学習教材はまだまだ少なく、特に語彙の習得のための教材に関しては、客観的な指標に基づくものは皆無である。CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に代表される、言語に関する知識が実用面の技能と結びつかなければならないという語学学習の最近の方向性を考えるに、この語彙集の開発が貢献するところは大きいと考えられる。

特別賞

中村 周さん(経済学部 経営専攻3年 吉田ゼミ)

「個人属性を中心にして専門ゼミナールの選択を支援するアプリ」 原稿

受賞理由:

 「大学生が自ら専門ゼミナールを選んで選考を受けるプロセス」に着目し、学生のゼミ選びを手助けする研究は大変面白い。現在の3・4年の学生らから現在所属しているゼミへの満足度を収集し、満足している学生の属性・態度の特長をゼミごとに抽出し、その結果をもとに、どの教員のゼミが向いているかを判別する仕組みを作ったことは大変評価できる。

奨励賞

市川 友貴さん(外国語学部 英語コミュニケーション専攻4年 千葉ゼミ)

「嵐のメッセージはブレイク前後で変わったか―語彙の量的分析による歌詞比較」 原稿

受賞理由:

 アイドルグループ「嵐」の楽曲335曲の歌詞を電子化し、2007年をブレイクのタイミングとして語彙の比較をおこなった労作である。品詞ごとの語彙素の頻度のランキング比較をおこなったほか、語彙素と2gram(2つの語彙の連鎖)に関する特徴度の統計的な分析結果を披露し、若い時期とその後の楽曲の語彙の違いを観察・記述した。日本語電子化辞書UniDicを用いた解析には、外来語など自動解析ができない語彙もあり、時間的にそれらは研究対象から外されたが、データの手修正によりそのような語彙もデータ化できればより正確な分析が可能になったであろう。また、研究結果からは、「嵐」メンバーの年齢の変化が使用される語彙の変化に影響していることが示唆されており、ブレイク前後という大きな分類での比較よりも、時系列による変化をより詳細に分析・記述できるとさらに面白い研究になったかもしれない。このような研究手法に興味をもつ後輩が現れて実践してくれることを期待したい。

奨励賞

五十部 聖佳さん(外国語学部 英語コミュニケーション専攻3年 匂坂ゼミ)
五十部 鈴奈さん(外国語学部 英語コミュニケーション専攻3年 匂坂ゼミ)
六笠 妃加莉さん(外国語学部 英語・リベラルアーツ専攻3年 匂坂ゼミ)

「ICTを利用した学習困難(読み書き)への支援とその可能性について」 原稿

受賞理由:

 ICTを利用した特別支援学習の中でも、日本国内で認知度が高いとはいえないディスレクシア(読み書き困難)に対する支援について詳しく調べ、その定義や症例、支援方法について具体例をあげながら論理的にわかりやすく説明した。また言語学の知識を生かしながら、課題を的確に絞り込んだうえで、ディスレクシアのための英語学習支援の教材を提案するなど意欲的な姿勢を評価する。今後の取り組みにさらに期待したい。

奨励賞

石原 春香さん(経済学部 経営専攻3年 吉田ゼミ)

「自己肯定感と購買行動の関係」 原稿

受賞理由:

 大学生を対象にして、自己肯定感とファッションの消費行動の関連性に明らかにする研究である。先行研究において、女子大学生の自己肯定感とメイク行動の関連性は明らかにされている一方で、ファッションとの関連では言及されておらず、自己肯定感の高低と衣服・装飾品の消費額の大小の関連について検証したこと、自己肯定感×消費分類の組み合わせによって、よく購入するブランドに差異があることを明らかにしたことは大変評価できる。

 

2019年度 麗澤大学情報系卒論発表会 プログラムと発表論文リンク

発表論文および発表資料は編纂され、Web に公開されています。過去の発表会の記録を含め、ぜひこちらよりご覧ください。