お知らせ
対話で読み解く『推し、燃ゆ』──世代を超えて語り合う冬の読書会を開催
2026年1月25日(日)、外国語学部の花田太平准教授が担当する麗澤・地域連携ゼミナール「BeARIKAチーム」主催、花田ゼミDAP共催により、柏高島屋ステーションモール新館10階 BeARIKAホールにて、「対話で読み解く『推し、燃ゆ』冬の読書会」を開催しました。
麗澤・地域連携ゼミナールは、連携協定を結ぶ柏市や企業・団体の協力のもと、地域や社会が抱える課題について学生がヒアリング調査やディスカッションを行い、解決・改善策を考える一年次対象のPBL型授業です。
本実習では、「柏駅直結のコミュニティスペース BeARIKA を"柏の街の居場所"として育てる方法を考えよう」をテーマに、ショッピングセンター(SC)事業を展開する東神開発株式会社の協力を得て、2024年9月に開業した複合型コミュニティスペース「BeARIKA」を舞台に、地域の方々に親しまれるイベントや施設運営の在り方について検討を重ねてきました。
関連イベントは全3回で構成されており、第1回は1月17日(土)に「自分だけのフレグランスを創る フレグランス作り体験ワークショップ」を実施。第3回は2月8日(日)に「RPG風 回遊型クイズ&謎解きゲーム」を予定しています。
今回の第2回では、第164回芥川賞受賞作『推し、燃ゆ』を題材に、「あなたにとって"推し"とは何か」をテーマとした冬の読書会を開催しました。当日は、参加者8名、教員・学生5名の計13名が参加し、世代を超えた対話と交流の場となりました。
イベントはアイスブレイクからスタートし、「名前」「今の気分や体調」に加え、"推し"にちなんだ「好きな色」をテーマに自己紹介を行いました。
続いて花田准教授から、対話を行ううえで大切にしたい姿勢として、
・相手の話を遮らずに聞くこと
・会話のトーンを意識し味わうこと
・答えのない不確かな状況に耐えること
・自分自身の経験や感情、感覚を大切にして語ること
が共有され、プログラムが進行しました。
最初のプログラムでは、参加者それぞれが『推し、燃ゆ』の中で印象に残った一節を朗読。感情を込めて読み上げる姿や、同じ箇所に共感する参加者同士の気づきなど、作品との多様な向き合い方が共有されました。
続いて、2人1組でのリスニングワークを実施。「『推し、燃ゆ』と私」「人生を支えてくれるものとは」という問いに対し、各自2分間、自身の思いを語りました。
参加者からは、
「主人公と同じように推し活をしており、重なる部分があった」
「飼っている猫の存在が日々の癒しになっている」
など、個人の経験に根ざした率直な言葉が聞かれました。

その後は小グループに分かれ、「推しとはどのような存在か」「主人公・あかりの生きづらさと"推すこと"の関係」「炎上についてどう感じ、どう行動するか」といった問いをもとに、話す時間と聴く時間を大切にした丁寧な対話が行われました。
参加者からは、「推しは人生の中心ではなく日々に彩りを与える存在」「勇気や元気をもらいに行く存在」といった声のほか、炎上をめぐっては「炎上していても、あえて特別な行動は取らず、見ないようにするという選択」や「炎上を目の当たりにしても、何もできないという無力感を覚える」といった率直な意見も共有されました。
最後は参加者全員で円になり、全体対話を行いました。
「自分を『推す』ことはできるのか」「推しを失った時間は"Waste of time(無駄な時間)"なのか」「個人か社会か(主人公・あかりは遅れを努力で取り戻すべきか、それとも社会が変わるべきか)」といった問いをもとに、自分自身や社会と重ね合わせながら、以下のような多様な意見が交わされました。
「自分の良い面も悪い面もすべて知っているからこそ、 "自分を推す"ことは難しいと感じた」
「すでに自分を推している感覚があり、自分に期待することで生きやすくなっている」
「"四つん這い"の描写は、死を連想させる場面に見えた一方で、必死に生きている証や希望にも感じられた」
「綿棒を拾う行為には、拾い上げるだけの強さが表れているように思えた」
「本人が望むのであれば挑戦してよく、第三者が生き方を決めるべきではない」
「"遅れ"という価値観を生み出す社会の側にも課題があるのではないか」
イベント終了時には、初対面の緊張感も和らぎ、会場全体が穏やかな雰囲気に包まれていました。参加者からは、「話さなければならないというプレッシャーがなく、じっくり考える時間が持てた」「異なる世代の意見を聞くことで視野が広がった」といった感想が寄せられました。
本イベントを通して、世代や立場を越えて一つの作品を起点に語り合うことで、互いの価値観や考え方を理解し合う貴重な機会となり、地域における新たな交流の場づくりにもつながりました。
参加者の声(抜粋)
- 言葉を重ねることで、物事の見方が深まっていくと感じました。
- 沈黙を恐れず、ボールをバトンのように渡し合うオープンダイアログの形式が印象的でした。
- 主人公と近い世代の意見と、大人世代の視点が交わる時間が新鮮でした。
- 一つの本を通して、世代を超えて気づきや考えを共有できる場の大切さを実感しました。














