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2013.10.08|最終更新日:2020.07.24|

日本大学 国際関係学部教授 水野和夫 氏が講演

麗澤オープンカレッジ特別講演会(後援:千葉県教育委員会、柏・流山・松戸・我孫子・野田 各市教育委員会および柏商工会議所)の平成25年度後期第1回目が10月5日に開催され、日本大学 国際関係学部教授の水野 和夫 氏が「歴史の危機と日本の復活」と題して講演されました。当日は147名の方々が来場し熱心に聴講されました。

水野教授はまず、今回のサブテーマとして「21世紀の利子率革命、ネット革命、価格革命」と”3つの革命”を掲げ、その意味について、歴史的な視点から解説されました。利子率革命は国債利回りが2%を下回った1997年、ネット革命はWindows95が世に出た1995年、価格革命は原油価格が高騰した2003年を指し、「日本はこの20年以内に、過去400年もの間に起きたことが無いほどの変革が起こっている」と述べられました。

さらに、資本主義が始まったとされる、西暦1200年頃から今日に至るまでの歴史を紐解かれ、詳しく解説されました。そして、ドイツ帝国宰相「オットー・フォン・ビスマルク」(1815~1898)の言葉である、「優れた政治家は、政治の流れを作るのではない。そうではなくて、その流れに乗り、舵取りをするのだ」を紹介されました。そして、「長い歴史の流れと、優れた政治家であったビスマルクですら政治の流れを作れなかったのに、アベノミクスの政策で、たった2年で結果を出すのは、大変厳しいだろう」との所感を述べられました。

次に、新興国の近代化の加速の状態を”近代”、先進国の近代社会の成熟した状態を”ポスト近代”と分類され、それがまったく正反対のトレンドであると説明されました。「”近代”は、「より遠くへ、より速く、より合理的・科学的に」と追い求める政策だが、中国などの新興国は、いつかは過剰・飽満・過多の時代がくる。しかし、その反作用として”ポスト近代”という、「より近くに、よりゆっくり、より曖昧な」時代をつくり上げるものです」と解説されました。

水野教授は最後に、「歴史的に見ても、霞ヶ関では改革は起きないでしょう。過剰な大都市である東京中心から、地方が主役となって始めて時代は切り開かれていきます。歴史の歯車が動く時は、そういうものです。私たちも、その歯車を、しっかりと見極めていきましょう」と訴えられ、会場では惜しみない拍手とともに、講演が締めくくられました。