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2017.06.20|最終更新日:2020.07.24|

【開催報告】労働法入門特別授業:柚木純氏(資生堂労働組合中央書記長)「“はたらくこと”について一緒に考えよう〜外の世界に一歩踏み出そう!」

 6月15日、梶田幸雄教授(外国語学部)の「労働法入門」の授業で、資生堂労働組合中央書記長の柚木純氏に「“はたらくこと”について〜外の世界に一歩踏み出そう!」をテーマに特別授業を行っていただきました。

 柚木氏は、今の学生諸君の平均寿命が100歳にもなると言われるところ、働く年数が40〜50年にもなる時代に向けて、何のため働くのかを問いかけました。学生諸君に対する事前アンケートの結果では、「お金」、「生活」のためという回答が多くありました。柚木氏は、働くという概念を(1)Labor(労役)、(2)Work(組織内で決められた仕事をする受け身)、(3)Play(やりたい仕事を自律的にする)に分類し、その意義を説明されました。また、仕事については、(1)仕事=義務(賃金を得るため、生きていくため、仕事から解放されない)、(2)仕事=実績(楽しみ積極的に関わる。主眼は出世、昇給)、(3)使命(働くことに喜び、世界が良くなると信じる、大きな満足)の3つの分類を示されました。

 学生諸君から、仕事がこなせるか、ブラック企業、人間関係、社会に馴染めるかといった仕事に対する不安もある一方で、新しい自分を知る、やりがいを感じる、新しい環境で新しい仲間、能力を高められる、人の役に立てるなどの仕事に対する期待もあるとの意見がありました。柚木氏は、これに応えて、当たり前であることに疑問を持つことの大切さ、グローバルで活躍する人、地域に貢献する人、趣味を仕事にする人たちの例を取り上げ、多様な働き方があることを紹介されました。また、自らの学生時代を振り返り、「みんなには(1)もっとひとつのことにハマる経験、(2)もっといろんな体験をして感じる、(3)もっといろんな人と関わる経験を積んでもらいたい」と学生諸君への期待を語られました。

 柚木氏は、「世界に日本の素晴らしさを発信したい!」との思いから今の仕事に就いたと紹介され、学生諸君に対して「どんな夢に向かってどんな働き方をしたいかと考え、外の世界に一歩踏み出そう!」というメッセージを送りました。

 学生諸君からは、「“働く”ということについて金銭面でのイメージしかなかったが、やりがい、誰かのためというイメージも加わり将来に希望が持てた」「大企業やグローバル企業で働くことだけを考えていたが、地域に貢献して働くということも選択肢として出てきた」「最後の3つの言葉が響きました。もっといろんなことを経験して人としての幅を広げたい」などの感想の言葉がありました。

 梶田教授は、「労働法入門の授業では、労働者の権利・義務、ブラック企業などについて働く理論的な講義をしていますが、柚木氏の授業で“働くということ”へ意識を強く持ったことと思います。自分を信じて夢を叶えてください」と締めくくりました。