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2026.07.02

【実施報告】留学生が日本の伝統芸能を体験 唐木副学長による落語会を実施

2026年6月30日(火)、「日本事情演習A」(担当:志賀千晃講師)の授業において、唐木重典副学長による落語会を実施しました。

唐木副学長による落語会は2024年から始まり、今回で5回目の開催となります。当日は、「日本事情演習A」を履修する留学生8名に加え、クラスゲスト3名が参加し、計11名の少人数で和やかな雰囲気の中、落語を通して日本の伝統文化に触れました。

授業の冒頭では、留学生が落語についてミニレクチャーを行いました。落語は江戸時代に成立した日本の伝統的な話芸であり、演者が座布団に座り、扇子と手拭いのみを使って一人で複数の役柄を演じること、最後に「オチ」がつくことなど、落語の基本的な特徴を紹介。さらに、浅草演芸ホール、鈴本演芸場、新宿末廣亭、池袋演芸場、天満天神繁昌亭など、実際に落語を楽しめる寄席についても説明しました。

続いて、唐木副学長が着物や袴、足袋、座布団など、落語に用いられる装いと道具について紹介しました。かつては日本人は畳の上で生活し、座布団に座るのが一般的であったこと、落語では現在も着物を着て座布団に座り、昔ながらの形式で演じられていることなどを、実物を見せながらわかりやすく説明しました。また、落語家が登場する際に流れる「お囃子」についても紹介し、三味線や太鼓、笛、鉦などの音とともに始まる落語の雰囲気を体験しました。

その後、唐木副学長は、落語と一般的な演劇との違いについて解説しました。落語では舞台装置や衣装替えはなく、登場人物も演者一人で演じ分けます。そのため、聞き手は演者の声や仕草、視線の動きから場面や人物を想像する必要があります。唐木副学長は「落語は聞く人の想像力が大切」と話し、落語を楽しむうえで、観客自身が物語の世界を思い描くことの重要性を伝えました。

また、落語で使われる小道具である扇子と手拭いの使い方についても実演を交えて紹介しました。扇子は、箸、筆、刀、釣り竿、そろばんなど、場面に応じてさまざまなものに見立てられます。手拭いも、手紙や財布、食べ物など、多様な道具として表現されます。学生たちは、扇子をペンに見立てて文字を書く仕草や、箸に見立ててそばを食べる仕草に挑戦しました。器の大きさを手の形で表したり、そばをすする音やつゆを飲む動作を工夫したりしながら、落語ならではの表現方法を体験しました。

唐木副学長は、落語の特徴である「オチ」についても、複数の小咄を交えながら説明しました。「におい代」に対して「お金の音」で支払う話や、交通事故の原因をめぐる小咄など、最後に意味が反転する面白さを紹介。学生たちは、話の流れを追いながら、最後のひと言で笑いが生まれる落語の構造に触れました。

落語の実演では、日本で広く知られる演目「寿限無」が披露されました。長い名前を付けられた子どもをめぐる物語を通して、学生たちは、言葉のリズムや繰り返し、登場人物の演じ分けを楽しみました。また、現代的な小咄として「名画」も紹介され、伝統的な形式の中で現代の題材も扱える落語の幅広さを学びました。

最後には、唐木副学長が古典落語の演目「まんじゅうこわい」を披露しました。登場人物たちの会話を通して物語が展開し、最後のオチにつながる構成に、学生たちは落語の面白さを改めて感じている様子でした。

参加した留学生からは、「初めて落語を聞きました。何もないのに、話を聞くだけで頭の中に場面が浮かび、とても面白かったです」「一人で複数の役を演じられることに驚きました。落語の小咄は謎が最後に解けるようで、もう一度見たいと思いました」「簡単な道具を使って、本当にその場面が起きているように見せるところがすごいと思いました」などの感想が寄せられました。

今回の落語会は、留学生にとって、日本の伝統芸能を知識として学ぶだけでなく、実際に見て、聞いて、演じてみる貴重な機会となりました。参加した学生たちは、落語を通して、日本語の表現や文化的背景、聞き手の想像力によって広がる物語の面白さに触れる時間となりました。

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