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2025.01.24

【学生の活躍】Japanesia―ミクロネシア連邦における環境問題改善活動報告

Japanesia(ジャパネシア)は、松島正明教授の指導のもと、ミクロネシア連邦(FSM)の環境問題解決を目的に、国内外で環境教育および啓発活動を行う社会貢献プロジェクト団体(自主企画ゼミ)です。

2024年8月31日から9月15日にかけて現地を訪問し、視察や環境調査、ワークショップ、協働活動を実施しました。これらを通じて、環境問題の改善に取り組んだ活動をご報告いたします。

Japanesiaは今年で12次隊となります。環境問題の改善をテーマに自主企画ゼミを立ち上げた際、当時引率していた顧問教授とミクロネシア連邦の間にコネクションがあり、活動目的や内容が現地の課題と合致したことから、Japanesiaとしての活動がスタートしました。(団体名はJapanとMicronesiaを組み合わせたものです。)

20249月の渡航では、COMCollege of Micronesia:ミクロネシア連邦短期大学)と麗澤大学の連携協定をはじめとした現地との関係性再構築や、現地視察・調査、廃棄物処理に関する青少年教育を目的として活動を行いました。

活動の初めに、日本大使館やJICA支所などの政府機関から、米中政策や地理的要因、開発計画に関する現地状況をさまざまな観点から伺いました。その後、現地視察や住民を対象とした環境問題に関するアンケート・インタビュー調査を実施しました。調査を通じ、日本政府が改善を目指す政策と、伝統や習慣、目の前の幸福を重視する現地住民との間に根本的な価値観の違いがあることを知り、課題への理解を深めました。

また、観光スポットや最終廃棄物処理場を訪問して環境調査を行った結果、多くの場所が無保護・無整備で、観光客の誘致や環境保全の観点から課題が多い現状が浮き彫りになりました。特に、ユネスコ世界遺産に登録された遺跡がある場所も含まれており、保存や活用の重要性を認識しました。

現地の2つの小学校では、「海」をテーマに、ポイ捨てによる汚染の過程やゴミの分別について、イラストカードや絵を用いたワークショップを実施しました。子どもたちと一緒に手作りのゴミ箱を製作・設置し、意識向上と持続的な行動変容を目指しました。

さらに、渡航期間中はWorld Cleanup Dayと重なっており、現地住民や国際機関の関係者と協力してゴミ拾いを実施しました。活動は、ポンペイ空港から町へ続くコーズウェイという長い道路沿いで行われ、ポンペイ語で「ポイ捨て禁止」と記載されたカラフルなTシャツを着用しました。多くの国際機関や現地の方々が参加し、その一員としてポンペイの環境意識向上に貢献できたことを実感しました。

活動期間中には、立命館大学や早稲田大学の学生とも共同で調査やCOMでの交流を行い、今後のより大規模な活動に向けた協力関係を構築できたことも大きな成果です。

 コロナ禍以降、2回の渡航を経て、現地とのコネクションを十分に再構築できたと考えています。今回の活動を通じ、現地の文化的生活背景や政治的・資金的課題など、さまざまな問題が浮き彫りになり、未来を見据えた私たちの環境活動と、現在を大切にする現地住民の価値観との間に差を感じる場面もありました。

今後は、現地住民と並行して計画を進めることで、環境問題以外の視点からもアプローチを行い、彼らの文化と共存しながらプロジェクトを計画・実施していきたいと考えています。

  • ①IMG_2338.jpegミクロネシア連邦の美しい自然
  • ②ダンプサイト.jpeg廃棄物が処分されずあふれかえるダンプサイト(ごみの山)
  • ③ワークショップ集合写真.jpeg小学校でのワークショップ
  • ④協働ゴミ拾い②.jpegWorld Cleanup Day にちなんだゴミ拾いに参加

     


文責・活動メンバー:国際学部 田中 大己(代表・3年)、経済学部 中村 一葉(2年)

※本活動は「麗澤大学後援会自主活動支援」として活動を支援致しました。