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教育・研究
2021.02.09

【開催報告】第19回情報系卒論発表会(情報×専門分野)

 毎年1月末に、外国語学部、国際学部、経済学部の情報系ゼミ(計4ゼミ)が合同で卒論発表会を開催しています。今年度は2021年1月30日に初のオンラインでの開催となりました。
 本発表会では、外国語学部から千葉先生のゼミ、国際学部から匂坂先生のゼミ、経済学部から上村先生と吉田先生のゼミが中心となり、日頃の研究成果を発表しあいます。今年度は3年生14件、4年生8件の計22件の発表があり、3学部の学生と教員、そして、本発表会に関心を示し参加してくださった卒業生などが見守る中、様々な観点からの質疑が飛び交う白熱した発表会となりました。
 本記事では各ゼミから発表をひとつずつ紹介します。

景観分析から、まちの魅力を高める提案を行う

 まず、経済学部経済専攻4年の木村杏奈さん(佐藤ゼミ/上村ゼミ)の研究です。本研究では千葉県流山市おおたかの森駅周辺と千葉県松戸市松戸駅周辺の緑視率の比較を行い、これらの地域の緑化政策の調査を行った後に、松戸駅周辺における緑のまちづくりに関する、実現性が高く効果的な方法を提案しています。緑視率(読み方:りょくしりつ)とは、「視界に入っている緑(植物)の割合」を示す指標で、まちづくりやオフィスの作業効率高上のために活用されており、現在ではコンピュータを利用して計算されています。
 論文の中では、緑視率を上げたリニューアル案まで具体的に示し、Walkable(歩きたくなる)かつDiversity(多様な人の多様な用途、使い方)なものとなっているのが特徴です

景観分析から、まちの魅力を高める提案を行う.jpg木村さんのプレゼン資料より

ディクレシアの人たち向けに英語のICT教材を開発する

 次は外国語学部英語コミュニケーション専攻4年の五十部聖佳さんと五十部鈴奈さん、そして、英語・リベラルアーツ専攻4年の六笠妃加莉さん(匂坂ゼミ)の卒業研究・制作です。本研究ではディスレクシア(読み書き学習困難)に焦点を当て、現在行われている ICT 支援やその可能性について探っていくものです。ディクレシアの方が実際に英語を学ぶ際の課題を特定するだけでなく、その課題を克服する際に役立つ学習用システム(アプリ)までを実装しています。

ディクレシアの人たち向けに英語のICT教材を開発する.jpg3人のプレゼン資料より

YouTubeの統計データから日米のスポーツリーグのチャンネルを比較する

 本発表会では4年生だけでなく、3年生にも発表の機会が用意されています。次は経済学部スポーツビジネス専攻3年の浦部泰一さん(吉田ゼミ)の研究です。本研究では、プロスポーツの中でも今回は日米のバスケットボールのプロリーグである、NBAとB-Leagueを対象とし、公式YouTubeチャンネルにどういった違いがあるのかについて比較・分析を行っています。
 両者のYouTubeチャンネルの統計データをAPIを用いて取得し、その結果をもとにB-Leagueの再生数や高評価数を上げるための施策の提案まで行っています。

YouTubeの統計データから日米のスポーツリーグのチャンネルを比較する.jpg

浦部さんのプレゼン資料より

コロナ禍における大学の業務効率化を促進するWebアプリを開発する

 最後は外国語学部英語・リベラルアーツ専攻3年の大塚悠真さん、竹尾淳希さん、佐久間佑尽さん(千葉ゼミ)のシステム開発です。授業やゼミで学んだWebプログラミング言語である JavaScript を利用し、コロナ禍に対応した教室座席システムを構築しました。履修名簿ファイル(CSV)を選択すると、教室の座席を自動で割り振り、間隔をあけた座席表を生成できます。
 学んだことを使って、大学の業務効率化を実現しようという態度が大変素晴らしく、簡単に出力できるのが特徴的でした。

コロナ禍における大学の業務効率化を促進するWebアプリを開発する.jpg

3人のプレゼン資料より

コロナ禍でもできること、やりたいことを実践する

 学生達はゼミの時間に教員指導のもと、コロナ禍でコミュニケーションがとりにくい中、自分達で悩みながら研究テーマを設定し、試行錯誤しながら文献研究、調査、そしてシステム開発などに取り組んできました。また昨年末から予稿論文の準備をすすめ、担当教員からは何度も指導を受けながら論文を完成させ、さらに発表スライドの作成や口頭発表練習など、発表ぎりぎりまで準備を重ねてきました。今年度は残念ながら体調不良のため1件の発表がキャンセルとなりましたが、発表者は皆、大勢の聴衆の前で緊張しながらも自分の研究成果を立派に披露し、やり遂げたという充実感であふれていました。
 ここでは紹介しきれなかった興味深い研究発表が多数あります。プログラムや原稿は[こちら]のサイトにまとめられていますので、是非ご覧ください。

 過去の発表会については[こちら]からご覧いただけます。