お知らせ

教育・研究
2023.02.06

【開催報告】元陸上幕僚長の岩田清文様による特別講義を実施

 2023年1月26日(木)、「総合安全保障論」の授業において、元陸上幕僚長の岩田清文様による特別講義が行われ約30名の学生が参加しました。

 近年日本を取り巻く安全保障環境がこれまでになく厳しいものとなっている中、総合安全保障の概念・基本的考え方を習得することの重要性は、ますます高まりつつあります。総合安全保障論の授業では、様々な分野の専門家が提起する実践的な問題視角を学ぶことにより、現代の日本が直面する安全保障問題を考えていくための力を身につけることを目指し、オムニバス講義を実施してきました。

 第1回から第7回までは、2022年11月下旬~2023年1月上旬まで実施されていた産経新聞社 月刊 「正論」・麗澤大学オープンカレッジ公開講座「日本の安全保障」徹底講義!をオンラインで受講。本公開講座でも岩田様は第5回目の講師として「安全保障環境の変化と日本の防衛」をテーマに講義くださいました。その後、第8回目から第14回目までは、元空将の織田 邦男特別教授、岩澤 知子教授による3日間の集中講義を対面で実施しました。

Day 1 (1).jpg
集中講義初日の様子

 この集中講義の最終日に、岩田様をお迎えし特別講義を実施いただきました。

 岩田様は1957年徳島県出身。防衛大学校(電気工学)をご卒業後、1979年に陸上自衛隊に入隊。戦車部隊勤務などを経て、アメリカ・カンザス州にある米陸軍指揮幕僚大学でも学ばれてきました。その後、第71戦車連隊長、陸上幕僚監部 人事部長、第7師団長、総合幕僚副長、北部方面総監などを歴任され、2013年からご退任までの3年間、第34代陸上幕僚長として日本の安全保障に従事されてきました。

 特別講義のテーマは「どうする、日本の安全保障(日本の安全と独立をどう守る?)」。講義では昨年12月に国家安全保障会議及び閣議において国家安全保障に関する基本方針として決定された「国家安全保障戦略」についてお話いただきました。

 はじめに、「国家安全保障戦略」の序盤に明示されている「国益」について、「何から、何を、どう守るのか」という定義づけが非常に重要であり、ここを誤ると守るものも守ることができない、とその重要性と今回定義づけられた内容について述べられました。その後、継戦能力、反撃能力、核抑止力、宇宙・サイバー・電磁波領域における安全保障など「国家安全保障戦略」で設定された防衛目標と達成の為のアプローチや手段について解説いただき、学生は熱心に耳を傾けていました。

 講義の最後には、質疑応答の時間をいただきました。なぜこれまで安全保障の見直しが出来なかったのか、昨今のウクライナ戦争をどのように見られているかなど、日本の安全保障のトップを担われてきた岩田様から生の声を聞くことができる貴重な機会に、学生からの質問が終了時間一杯まで次々と続きました。

 特別講義終了後には、受講学生によるプレゼンテーションを実施。「日本の安全と独立をどう守るのか」をテーマに発表しました。岩田様もご参加くださり、学生たちが考える日本の安全保障をお聞きいただき、フィードバックを頂戴しました。

  • IMG_6510.jpg
  • IMG_6527.jpg