6月11日(火)、オランダから世界一周旅行中のMajike氏とJosephine氏をお招きし、2つの特別授業を通じた国際交流が行われました。
最初に特別講義が行われたのは、3限目に開講されている自主企画ゼミナール※「Data Storytelling」です。「Data Storytelling」は、急速に発展するAIやツールを駆使して、データから読み取った内容をもとに、そのデータが物語るストーリーを相手に伝える能力を養うことを目的に開講されています。
(※自主企画ゼミナールとは、学生が自ら学びたいテーマを探し、学習計画を立て、担当教員も学生自ら選び進めていく制度です。)
「Data Storytelling」の授業では現在、ストーリーを伝えるための映画を作成しており、その一環としてMajike氏とJosephine氏へ世界一周に関するインタビューを実施しました。
4限目には、国際学部の学生を対象にした「国際社会学」の授業でゲストスピーカーとしてご登壇いただきました。「国際社会学」は、国際学部の学生を対象に、ジェンダーや家族の変化を通じて、国際社会の多様性を理解し、グローバルな問題に対して柔軟な視点を養うことを目的に開講されています。
最初に、出生率・幸福度調査・子どもの幸福度ランキングなどから、日本と比較しながらオランダの概要を理解しました。その後、「世界一周旅行」「ジェンダー」「パートナーシップ」の3つのテーマに沿ってグループで話し合った内容を基に、Majike氏とJosephine氏との対話形式で授業が進められました。
(写真左:Majike氏 右:Josephine氏)

「仕事を辞めて世界一周旅行をすることに不安はなかったですか?」という質問に対しては、「不安もあったが、それよりも今しかできないことに挑戦したかった。両親は今後の人生へのリスクよりも、良い経験ができる機会と後押しをしてくれた」と回答いただきました。この答えに学生たちは「もし両親に、仕事を辞めて世界一周してくると言っても大反対されると思うので、お2人の行動力とご家族の寛大さに憧れる」「日本も韓国も仕事を一年以上休んで旅行することは、考えられない。ギャップはリスクと考えてしまうので、短いスパンで転職するオランダとの違いが見えました」と、環境の違いに驚いていました。
「ジェンダー」のテーマでは、オランダが世界で初めて同性婚が合法化された国であることから、同性婚やLGBTQに関する教育について話し合いました。オランダではこれらに特化した授業はなく、友人や家族など周りにLGBTQの方がいたため、自然に学び理解していったとお話いただき、同性愛を公表しやすい環境があることを垣間見ることができました。その後、日本における同性婚合法化の動きについて、各グループでディスカッションを行い理解を深めました。
最後のテーマ「結婚・パートナーシップ」では、相手に求める条件や、女性は家庭・男性は仕事という概念が一部の世代にはまだ残っていることが両国の共通点として挙げられました。異なる点として、オランダで適用されている「パートナーシップ制度」が挙げられました。オランダにおいてパートナーシップ制度は結婚とほとんど同じ権利を得ることができ、結婚・パートナーシップにおいて幅広い選択肢があることを学びました。
特別講義の最後に寄せられた「この世界一周旅行のゴールは何ですか?」という質問に対し、「旅にも人生にもゴールや目標は決めていません。ライフプランがないことが私たちの目標です」とお答えいただきました。
学生からは「お二人の結婚、仕事など、将来に対する価値観がとてもかっこいいと思った」「色々な生き方があっていい。今までの固定概念が外れた気がして気持ちが楽になった」「幸せとはお金があるからではなく、自分のしたいことをすることなのではないかと彼女たちの生き方から感じた」「『今この瞬間』をとても楽しんでいるように感じた。これがオランダと日本の幸福度の違いではないか」などの感想が寄せられました。
学生たちにとって、同世代のMajike氏とJosephine氏との交流を通じて、お互いの国の文化や社会、価値観を等身大で学ぶ良い機会となりました。