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【開催報告】元プロ車いすテニスプレーヤー 国枝 慎吾 特任教授による特別授業
11月29日(金)に経営学部スポーツビジネス専攻 豊嶋建広客員教授、国枝慎吾特任教授、井下佳織准教授が担当する「コーチング2」の授業において、履修者20名を対象とした特別講義が行われました。現在、全米テニス協会で若手選手の育成に尽力されている国枝特任教授ですが、前回10月25日の特別講義に続き、帰国中に今回も対面での授業を実現してくださいました。
国枝特任教授は、日本におけるプロ車いすテニスプレーヤーの先駆者として、これまでに世界ランキング1位を10度獲得、グランドスラム車いす部門で50勝を挙げ、2021年東京大会を含む3度のパラリンピックで金メダルを獲得されています。また、男子車いすテニス史上初の生涯ゴールデンスラムを達成し、世界ランキング1位のまま2023年1月に現役を引退。同年3月には国民栄誉賞を授与されました。
今回の特別講義は井下准教授の進行のもと、豊嶋客員教授による国枝特任教授へのインタビュー形式で進められました。講義のテーマは「アファメーション」「セルフトーク」「ルーティーン」。国枝特任教授のご経験を通して、これらのメンタルトレーニングの重要性について学びました。
国枝特任教授の代名詞ともいえる「オレは最強だ!」は、ピークパフォーマンススペシャリストのアン・クイン氏の助言によって生まれたものだそうです。「『世界一になりたい』ではなく、『世界一になる』と言い切ることで強い気持ちを持ち続けました。もしアン・クインさんに出会えていなければ、たとえ世界1位になれたとしても、16年間その地位を保つことはできなかったと思います」と語り、メンタルトレーニングの重要性を強調されました。
また、「アファメーションを教える際のポイントは?」という質問に対しては、「自分自身が一番納得でき、自分を律することができるポジティブな言葉を選ぶことが大切です」とアドバイスされました。
その後、グループワークが行われ、学生たちは講義のテーマである「アファメーション」「セルフトーク」「ルーティーン」の中から1つを選び、ディスカッションを経てマインドマップを作成しました。発表では、グループワーク中には、国枝特任教授から「自分のルーティーン、アファメーション、セルフトークを考えてみよう」という提案もあり、それぞれが自分を鼓舞する言葉や行動を考えました。
発表では、「自分では特別なことをしている意識がなくても、周囲から見ればルーティーンになっているかもしれない」「アファメーションは目標に対して行うが、セルフトークはその場、その場に合わせて行うと気づいた」などの意見が共有され、国枝特任教授からフィードバックをいただきました。
学生たちは、「アファメーションやルーティーンを練習の段階から繰り返し行うことが重要だと感じた」「スポーツだけでなく日常生活にもルーティーンを取り入れることでプラスになると思う」といった感想を述べ、特別講義で学んだことを早速日々の生活に取り入れようとしている様子でした。