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教育・研究
2025.04.09|最終更新日:2025.04.11|

【開催報告】2025年度英語リベラルアーツスタートアップセミナー「ダイアローグ体験会」開催

 2025年4月4日(金)、外国語学部花田太平准教授のゼミナールの学生(以下ゼミ生)が、英語・リベラルアーツ専攻の1年生を対象とした「ダイアローグ体験会」を企画、開催しました。当日はゼミ生、1年生合わせて約75名が参加しました。

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小グループに分かれた哲学対話の様子

 本学の外国語学部では、ダイアローグ(対話)を取り入れた教育実践を5年ほど前から展開しています。ダイアローグ(対話)とは、カンバセーション(会話)やディスカッション(議論)とは異なり、互いの「違い」や「痛み」を基盤にして、気持ちを受け止め合い、創造的にかかわり合う活動で、近年精神医療や社会福祉領域を中心に注目されています。花田ゼミの学生たちは、若者が生きづらさや孤独に直面する中で、対話によってどうにか現状を変えることができないかと研究活動をしています。今回の導入セッションで新入生たちは、対話実践の基本要素を学んだのち、実際にグループに分かれて複数の対話ワークを体験しました。

 まず、自己紹介では、「今の気持ちや体調を手を使って表現する」というアイスブレイクを行いました。次に、2人1組になり、それぞれ5分ずつ、「聞く」と「話す」を丁寧に分ける対話(リスニングワーク)を行いました。初対面の学生同士は、慣れないコミュニケーションの仕方に苦戦しながらも、「人はどのようなとき受け止められたと感じるか」という問いについて考えやエピソードを交換していました。

 温かいお茶とお菓子をいただきながらの休憩を挟んで、グループでの哲学対話に挑戦しました。ぬいぐるみをもった学生のみが話し、次に話をしたい学生は挙手するというルールの下で、「全く違う人同士が友達になれる? 賛成? 反対?」という問いを巡り、時間が経つのも忘れて対話に集中している様子でした。その頃には緊張もほぐれ、笑顔や冗談も出ているようでした。

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                  ペアワークの様子
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                  ゼミ生による説明

 最後に、各グループで今日の対話体験を通じて感じたこと、思ったことをふりかえり、体験会は終了しました。別れ際に、連絡先を交換する新入生や集合写真を撮るグループもちらほら。
 本イベントは、ゼミ生が企画から参加し、緊張している新入生たちがどうしたら安心して互いを知り合えるか、そのための工夫が散りばめられているようでした。「対話」を通じてできたつながりを大切にして、一人ひとりが学びやすい環境をつくるきっかけになればと思います。

参加学生の感想

【1年生】

「グループで意見を出し合って、人によってたくさんの意見や価値観があるんだなっていうのを改めて考える機会になりました。」
「先輩がとてもやさしく、話しやすい空間で楽しむことができ、自由に対話することができてよかったです。適度に休憩をはさみながら他の人との距離を縮めることも同時にできて楽しかったです。」
「グループのみんなが親身になって自分に耳を傾けてくれたり、ゆっくりとしたペースで対話をすることでリラックスした気持ちになれました。」
「最初は見た目が少し怖いと思っていた人も話してみるとすごくやさしくて話しやすかったし、楽しかったことに気づけた。」

【イベントを企画した花田ゼミの学生】

「はじめは緊張気味で発言に惑いがあった新入生たちだったが、後半になるにつれ自己開示を伴う発言もいくつか場に出てきたため、対話の力や一人ひとりの言語化能力を垣間見ることができた。」
「最後に、新入生たちが『ありがとうございます』ではなく、『これからもよろしくお願いします』と言っていて、心を動かされた。すでに『今後わからないことがあったら教え合おう』と声がけをしているグループもあって、自分が一年生の時にもこういう機会があればよかったなあと思えた。」
「初対面の学生同士が、自分の過去の話をしたり、参加した教職員の方も学生と対等に話している姿が印象的だった。中には、自分の意見が少数派だとしても、グループで丁寧に伝えている学生もいて、すごいと感じた。」

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