お知らせ
【開催報告】千葉県主催「若者と一緒に考える地域活性化セミナー」を開催しました
2026年10月6日、千葉県主催・麗澤大学共催の「若者と一緒に考える地域活性化セミナー」を、本学工学部の授業「麗澤流エンジニアB」(担当:大澤義明教授・須永大介准教授)の一環として開催しました。本セミナーは、人口減少社会における地域の現状を理解し、若者が自らの将来や地域社会との関わりについて考える機会を提供するものです。今年度は、前平戸市長で本学特任教授の黒田成彦先生を講師に迎え、「本土最西端の人口減少都市における儲かる起業とは?」をテーマに講演が行われました。
黒田先生は、1983年に本学英文科を卒業後、長崎県平戸市長を4期16年務めました。当日は、自治体のトップとして地域づくりに取り組んできた経験を交え、人口減少が進む地域における産業の可能性や、若者が地域に関わる意義について語りました。
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人口減少の現状を知り、若者の視点から地域を考える
冒頭では徳永澄憲学長が挨拶し、地域の状況を踏まえながら、学生自身が学んできたことを生かして地域活性化を考えることへの期待を述べました。続く趣旨説明では、大澤教授が千葉県・茨城県・平戸市の年齢や性比などの人口動向を紹介。人口減少や高齢化に加え、若い女性の地域外への流出にも触れ、地域の将来を考えるうえで若い世代、とりわけ女性にとって住みたいと思える環境づくりの重要性を説明しました。
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地域の資源を新たな価値に変える起業
講演では、黒田先生が人口減少を悲観的に捉えるだけでなく、地域にある資源や空間を見直し、新たな仕事や豊かな暮らしにつなげる視点を提示しました。平戸市での移住・定住の取り組みや、空き家・農地などの活用を紹介し、地域の潜在力を引き出すことの大切さを伝えました。
具体的な起業事例として、地域の農産物を生かした搾油や菓子づくり、イノシシ肉の加工・販売、古民家を活用した宿泊事業などが紹介されました。また、少量多品種で季節ごとに移り変わる、市場流通には乗りにくい農林水産物を、旬の商品を届ける仕組みへと転換した取り組みにも触れ、地域の特徴を価値として捉え直す発想を示しました。
事業を継続するための仕組みについては、国や県からの補助金に依存するのではなく、金融機関による事業評価と行政の支援を組み合わせる考え方を紹介。地域資源を調べ、市場ニーズを見極めながら、収益を生む事業へと育てることの重要性を説明しました。
人への共感と技術を生かし、地域の可能性を広げる
講演の後半では、変化が激しく、将来を見通すことが難しい「VUCA時代」を踏まえ、従来の経験だけに頼らず、地域の課題に向き合うことの重要性が語られました。黒田先生は、住民や利用者の立場に立ち課題を絞り込み、試行錯誤しながら解決策をつくる「デザイン思考」を紹介。言葉や数値による分析に加え、人が魅力を感じ、共感できる仕組みを考えることが大切だと説明し、文理融合の視点とともに、感性を磨くことの重要性を伝えました。
さらに、産業、歴史文化、自然景観、人とのつながりなど、都市とは異なる地域の価値を、AIや情報技術を用いて新しい商品・サービスへとつなげる可能性に言及。発想の転換と技術の活用によって、若者が地域で新たな挑戦をすることに、大きな期待を寄せて熱く語られました。
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自らの経験から考える地域との関わり
講演後には、「地域活性化に向けて私たちができること」をテーマに、須永准教授をファシリテーターとするクロストークが行われました。黒田先生とともに、経済学部2年次生の大越耀さん、工学部3年次生の阪本飛夏さん、経済学部4年次生の内澤理予さんがパネリストとして登壇しました。
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大越さんは、出身地茨城への思いを紹介し、黒田先生が多くの人とつながるきっかけについて質問しました。黒田先生は、自ら現場に足を運び、住民の話を直接聞いてきた経験を紹介。好奇心を持ち、人に働きかけたり、情報を集めたりすることが、つながりを生む第一歩になると伝えました。
阪本さんは、平戸島の端に位置する地域まちづくり協議会の皆さまと、交通改善案を検討した経験を紹介。新しい技術の導入が必ずしも容易ではないことに触れ、地域の弱みを強みに捉え直すための視点を尋ねました。これに対し黒田先生は、技術は課題を解決するための手段であり、まず目的を明確にすることが重要だと説明。住民の話に耳を傾け、何が必要とされているのかを把握したうえで、技術や情報を生かすことの大切さを語りました。
内澤さんは、高大連携など地域と関わってきた経験を踏まえ、若者が地域に長く関わりたいと思える行政の工夫について質問しました。黒田先生は、地域への愛着には人とのつながりが大きく関わっていると説明。また、地域の外から訪れた人が魅力を伝えることで、住民自身が当たり前だと思っていた資源の価値に気づくことにもつながると話しました。
後半では、黒田先生が若者ならではの感性を生かし、地域や組織の中で気づいたことを積極的に伝える姿勢への期待を述べました。これを受け、大越さんは地域資源を活用したイベントやツアーなど、人がつながる取り組みに携わりたいと表明。阪本さんは、エンジニアとして身につける知識や考え方を、将来、地元への貢献に生かしたいと語りました。内澤さんは、就職活動では企業の地域貢献を重視したことを紹介し、出身地への就職後も仕事やボランティアを通じて地域に関わり続けたいと伝えました。
講評では、千葉県総合企画部政策企画課政策室 副主査の平尾洋太氏が、既存の地域資源を活用して新しい価値を生み出すという平戸市の取組や視点は、千葉県にも通じるものがあると述べました。また、地域の活性化には行政だけでなく、大学、企業、地域に暮らす若者など多様な主体の協力が必要であるとし、今回のセミナーが学生にとって将来の進路や地域との関わり方を考えるきっかけになることに期待を寄せました。
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閉会にあたっては、地域の良さを客観的な視点から発見することや、知識・技術だけでなく、人間としての温かさを持って地域に向き合うことの大切さが伝えられました。本セミナーは、学生が地域の課題と可能性を知り、自らの専門や関心を地域社会でどのように生かせるかを考える機会となりました。











