グローバル・ファミリー ビジネス研究センター
【開催報告】国際シンポジウム2024 -ファミリービジネスのイノベーションと企業家精神-
2024年2月20日(火)、グローバル・ファミリービジネス研究センターが「国際シンポジウム2024 -ファミリービジネスのイノベーションと企業家精神-」を開催しました。
新型コロナウイルスの影響により、多くのファミリービジネスが困難な状況に直面しました。しかし、厳しい時期にこそ、ファミリービジネス特有の企業哲学、長期的な思考、強固なガバナンスなどによって、その強さが発揮され、外的なショックからの回復機会を掴みやすいとされています。実際に、一部のファミリービジネスでは、ビジネスモデルを変革することで、困難を乗り越えようとしてきました。
本学グローバル・ファミリービジネス研究センターはこの問題に取り組むため、ヨーロッパ最大のファミリービジネス研究所である「WIFU(ヴィッテン・ファミリービジネス研究所)」と共同研究をスタートしました。この共同研究の一環として、本シンポジウムが開催されました。
「国際シンポジウム2024 -ファミリービジネスのイノベーションと企業家精神-」プログラム
- 挨拶 (麗澤大学 徳永澄憲学長)
- 基調講演①
・「How Community Resilience enables to bear the next crisis: learnings from 'commoning'beyond common goods management at Kinosaki Onsen」
Dr. Sigrun Caspary(Senior Researcher, Witten Institute for Family Business (WIFU),Witten/Herdecke University)
・「日本のファミリービジネスがCovid-19危機をどのように乗り越えたか:日本のファミリービジネス分析」
近藤明人(麗澤大学 経済学部、グローバルファミリービジネス研究センター センター長) - 基調講演②
・「商人道と日本ファミリービジネス」
後藤 俊夫 特任教授(日本経済大学大学院)
・「How Smes Cope with Sever External Crises? Learnings From the COVID-19 Pandemic」
Professor Dr. Thomas Clauß(Witten Institute for Family Business (WIFU), Witten/Herdecke University) - 基調講演③
・「コロナ禍でのファミリー企業における人的資本経営: 秋田県における社会資本の構築との関連性に関する事例研究」
小酒井 正和教授 (玉川大学 工学部)
・「Why have the oldest German family firms survived the Covid crisis so well?: The specific resource configuration, resilience and the family factor.」
Jun.-Prof. Dr. Anne Katarina Heider (Co-Director, Witten Institute for Family Business(WIFU), Witten/Herdecke University)
・「道経一体の経営でコロナ禍を乗り越えた FB 経営者の心得」
永冶 達彦 (公益財団法人モラロジー道徳教育財団 企業センター長、麗澤大学 客員教授) - パネルディスカッション
パネルディスカッションは、グローバル・ファミリービジネス研究センター長 近藤教授がファシリテーターとなり、基調講演を行っていただいた6名がパネリストとして登壇しました。ディスカッションは参加者からの質問に答える形で進行され、「経営者として持っていなくてはいけない大切な考え方やフィロソフィーなど、これまでの歴史の中から学ばなくてはいけない事がよく分かった。この商人道をどうイノベーションに繋げていくべきか」「日本とドイツの企業を研究されている中で感じる両国のアントレプレナーシップの動向の違いはあるか」「廣池千九郎博士のモラロジーをどう実践していくか、またモラロジーから見る人材育成のポイントは何か」など各基調講演の内容に関するものや、ドイツ・日本の違いを問う質問をテーマとして、議論を深めていきました。
在学生を含む約30名の方にご参加いただき、盛況のうちに本シンポジウムは幕を閉じました。
Dr. Sigrun Caspary
近藤明人 教授
後藤俊夫 日本経済大学大学院 特任教授
Professor Dr. Thomas Clauß
小酒井 正和 玉川大学教授
Jun.-Prof. Dr. Anne Katarina Heider
永冶 達彦 客員教授
パネルディスカッション