お知らせ
【開催報告】シンガーソングライターさとう。氏をお迎えし、対話イベントを実施しました
2025年6月30日、外国語学部・花田太平准教授のゼミナールにて、対話イベント「ダイアローグ×さとう。声と言葉の交差する場所をめぐって」が行われました。本イベントは、花田ゼミでこれまで探究してきた「対話」に関する実践をさらに発展させ、アート表現を媒介とした対話の可能性を体験的に探ることを目的としたものです。アートや芸能に関心をもつ学生たちがゼミ内に組織したDAP(Dialogue and Art Project)が主催する若手アーティストとのコラボイベントの第一弾として企画されました。
今回は、儚さと力強さを併せ持つ歌声と、聴き手の心情に寄り添うリアルな歌詞で注目を集めるシンガーソングライターのさとう。氏をゲストにお迎えしました。さとう。氏の楽曲「3%」はYouTubeで400万回以上再生されており、本年1月にアニメ『花は咲く、修羅の如く』のエンディングテーマとして起用された「朗朗」も話題を呼んでいます。

イベントは、さとう。氏による弾き語りを軸に展開されました。「食卓」「朗朗」「ピアス」「アマレット」、そしてアンコール曲としての「3%」を含む全5曲が披露されました。各曲に対する問いは、事前に作品を深く聴き込み、その世界観を読み解いた学生たちによって用意されたもので、それらをもとに参加者は小グループに分かれて対話を行いました。さとう。氏も対話の輪に加わり、作品の奥にある問いを学生と共に深めてくださいました。
前半では「食卓」と「朗朗」が取り上げられました。「朗朗」に対しては、「自分の言葉とだれかの言葉、自分の声とだれかの声。あなたにとって伝えることはどういうことだろう?」という問いが提示され、続くリスニングワークやアート対話では、普段は言葉にしづらい思いや葛藤が、静かに、しかし力強く交わされていきました。
後半では「ピアス」「アマレット」が取り上げられ、「あなたにとって人間の弱さを包むものはなんですか」「痛みに意味はあるのだろうか。それはどのような意味だろうか」といった深い問いが共有されました。参加者は配布された歌詞に目を通しながら、自身の経験や感情を持ち寄って語り合いました。最後にはアンコールとして「3%」が演奏され、イベント全体を振り返る時間が設けられました。
本イベントは、音楽を単なる鑑賞の対象ではなく、教育的な「問いを生み出す媒体」として捉え直す試みであり、アーティストとファンダムの関係性を一方向的なものから相互的な対話へと再構築する可能性を示す貴重な実践となりました。花田ゼミの学生たちが主導して企画した本イベントは、教育・芸術・対話が交わる場のあり方を再考する機会となりました。
花田ゼミ・田中美鈴さんによる歌詞の朗読に続き、さとう。氏が「朗朗」を披露
金魚鉢形式でのアート対話の様子
さとう。氏より贈られた色紙
イベントの最後に撮影された記念写真
シンガーソングライター さとう。 プロフィール
静岡県出身。2018年、高校3年生の時に本格的に音楽活動を開始。
2024年1月に配信リリースした「3%」がSNSで火が付き、Spotifyバイラルチャートに2週連続でTOP10にランクイン。LINE MUSICが選ぶ次世代アーティスト「NEXT SPIKES」や渋谷の高校生が選ぶ「ネクストトレンド」に選出されるなど多方面で話題となっている。
その歌声は繊細で儚く、心の叫びにも似たビビットな力強さを併せ持ち、等身大の歌詞は男女問わず「自分目線」として聴き手の感情に優しく寄り添う。
公式サイト:https://sato-darari.jp/(外部サイトに飛びます)
参考情報
・花田太平准教授の夢ナビ講義「『孤独』の時代に考える、対話の可能性とは?」
https://douga.yumenavi.info/Lecture/PublishDetail/2023002527?back=
【対話実践をとり入れた授業風景の紹介】
・【前編】「対話」を続けた先に生まれる、安心できる仲間の存在
https://www.reitaku-u.ac.jp/journal/1776611/
・【後編】「対話」を続けた先に生まれる、安心できる仲間の存在
https://www.reitaku-u.ac.jp/journal/1776612/
・【開催報告】2025年度英語リベラルアーツスタートアップセミナー「ダイアローグ体験会」