地域語の観光資源化に関する研究を行っている山川和彦教授が、石垣島で研究報告と高校での特別講義を行いました。10月24日、山川教授は、韓国・済州語、台湾の原住民の言語の研究者と一緒に市民向けにフォーラムを開催し、8月に行った実験的なイベント「まちなかスマムニ探検活動」の報告をしました。スマムニとは石垣島を含めた八重山地方のことばで、話者が少なく消滅危機に瀕していることばです。スマムニに関心を持つ市民も多く、観光と関連させて活性化する提案も出されました。
翌25〜26日には、令和7年度危機的な状況にある言語・方言サミット八重山大会(主催文化庁ほか)が開催され、その中で、市民団体スマムニ広め隊のブースでポスター発表を行いました。参加団体の多くは地域語・方言の記録、継承活動を紹介するものでしたが、山川教授は「地域のことばの認知と普及が持続可能な観光の視点からも重要であり、私が行ったイベントに関心を持ってくれた方々と直接情報交換できたことは有益であった」と言っています。
今回の石垣島の滞在中には、麗澤大学の高大連携校である沖縄県立八重山商工高等学校で、観光コース3年生に特別授業「持続可能な観光とスマムニ」を行いました。自然を守ることと同様に言語文化を継承することも持続可能な観光として重要であることを生徒と一緒に考える機会となりました。
フォーラムの様子
「危機的な状況にある言語・方言サミット八重山大会」でのポスター発表
八重山商工高等学校での特別授業