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【受賞報告】麗澤大学経済学部 横田 理宇助教 共同論文『中小企業の地域社会に対するCSR活動の光と影:ソーシャル・キャピタルの視点から』が経営哲学学会「研究奨励賞」を受賞
麗澤大学経済学部に所属する横田理宇助教と高崎商科大学商学部に所属する田中敬幸准教授(本学経済研究科博士課程OB)による共同研究論文『中小企業の地域社会に対するCSR活動の光と影:ソーシャル・キャピタルの視点から』に対して、経営哲学学会から「研究奨励賞」が授与されました。
今回受賞報告があった経営哲学学会第37回全国大会は、早稲田大学主催のもと2020年8月29日(土)から30日(日)にかけて、ZOOMを使用したオンライン形式で執り行われました。
同学会は、生命の尊厳を最高の価値基準とし、人間性に基づいた「企業の指導原理を確立するための経営哲学の研究」を目的とし、1984年に設立されました。
受賞した同論文では、従来、大企業を主な分析対象としてステークホルダー理論によってパフォーマンスへの影響が説明されてきた企業の社会的責任(CSR)について、ソーシャル・キャピタル(SC)の視座から検討を行うことで中小企業のCSRとパフォーマンスの関係を明らかにしました。
具体的には、中小企業の地域貢献活動を事例としてCSRが企業のパフォーマンスに及ぼす影響を調査した結果、中小企業は、1)地域貢献活動を通じて地域におけるSCを蓄積し、2)ネットワークを通じた観察・学習および事業機会の獲得といった便益と、3)ネットワークによるしがらみ・維持費用といった不利益を受けていることを明らかにしました。
同論文の実務に対する貢献としては、CSRをコストであると捉えがちな中小企業経営者に対して、SCのもたらす不利益を最小化しつつ便益を最大化することで企業のパフォーマンスに対してポジティブな影響をもたらす可能性があることを示した点が挙げられます。
横田助教は、「過去に研究奨励賞を受賞された方々は、現在も第一線で活躍されている先生が多いため、この賞に恥じぬよう引き続き努力を続けていければと思います。」とコメントしています。