共創空間研究センター インフォメーション
【開催報告】共創空間研究センター 7月研究会を開催
2026年7月24日(金)、共創空間研究センターにて「7月研究会」を開催しました。今回の研究会では、前回の研究会で決定したトピック「AI教師の学習効果」をもとに、AI教師が教育のあり方や学習効果にどのような影響を与えるのかについて、参加者全員で意見交換を行いました。
冒頭では、前回の研究会を振り返りました。6月研究会では、「教育における対話型AI利用」をテーマを具体化するための共創ワークを実施し、学校教育や生涯教育におけるAI活用について、多様な視点から意見を交わしました。各チームの意見を投票した結果、「AI教師の学習効果」が次回のトピックとして選定され、今回の研究会で議論を深めることとなりました。
続いて、小学校でAIを導入した事例の映像を視聴しました。映像では、児童が短歌の制作において書籍や生成AIを活用しながら表現のヒントを得たり、歴史学習ではAIが弥生時代の人物になりきって説明を行ったりする様子が紹介されました。また、AIは文部科学省でも有用な教育ツールとして位置付けられている一方で、誤った情報を生成する「ハルシネーション(幻覚)」のリスクもあり、その弱点を見極める力が必要であることが紹介されました。さらに、多様性のある教育現場において、その多様性を包括する役割を果たせるのはAIであり、AIのメリットとデメリットを理解したうえで、その扱い方をどのように教えていくかが大切であると紹介されました。
映像視聴後は、下の写真にあるように横軸を「AI教師は今の教育のあり方を変えられるか」、縦軸を「AIとの協働は学習効果を高めるか」とする二つの視点をもとに、参加者がそれぞれの考えに該当する位置にマグネットを置きました。その後、チームごとに話し合いを行い、最後に全体で意見を共有しました。
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チーム1では、AIは教師そのものではなく、学習を支援する「相談役」として活用される存在であるとの意見が挙げられました。これまでも教師や保護者などが相談役を担ってきたことから、AIは新たな相談役が一人増えたようなものであり、教育のあり方そのものは変わらないのではないかという考えが示されました。一方で、今の教育は一律的で個性が軽んじられているとし、人間がイニシアチブを取ることを条件に、一人ひとりに焦点を当て、それぞれに合わせた教育を行ううえでAIが役立つとの意見も出されました。
チーム2では、アインシュタインの「イマジネーション(想像力・創造力)は知識より大切である」という言葉を引用し、知識には限界がある一方で、イマジネーションは世界へと広がっていくものであり、教育において重要なイマジネーションをAIが高めることは難しいのではないかという意見が出されました。また、AIの活用によって教師や学習のあり方は変化する可能性があるものの、教育制度などさまざまな条件も関わるため、現時点で教育そのものが変わるかどうかを判断することは難しいとの意見もありました。その一方で、漢字や語彙などの学習には一定の効果が期待できるほか、自分が知りたいことを探究する際の情報収集を支援するツールとして、AIを活用できるのではないかという考えも示されました。
チーム3では、AI教師は教師や生徒が共有・蓄積したデータを活用し、膨大な知識や情報を瞬時に提供できることから、教育のあり方を変える可能性があるとの意見が出されました。一方で、AIが学習効果を高めることは認めつつも、平和教育を例に、実際に現地を訪れたり、戦争を経験した方の話を直接聞いたりするなど、実体験を通して得られる学びはAIでは代替できず、教育のあり方は変わらないのではないかという意見もありました。また、AIは自分にとって都合のよい答えを提示してくれるため便利で使いやすい反面、頼り過ぎることで自分で考える機会を失う可能性があることから、AIに使われるのではなく、上手に使いこなすことが大切であるとの意見も出されました。
Zoomチームでは、AIは豊富な知識や情報を持ち、児童・生徒一人ひとりの理解度や特性に応じた学習支援を行えることから、学習効果を高める可能性があるとの意見が出されました。また、多様な学習スタイルに対応した個別最適な教育の実現に期待する声もありました。一方で、AIが示す情報をそのまま受け入れるのではなく、人間が疑問を持ちながら活用する姿勢が重要であり、AIを教育の質の向上に生かしていくことが必要であるとの意見が共有されました。
Zoomチームからは、AI教師は今の教育のあり方を変えられるとは考えていないものの、豊富な情報を持ち、さまざまな形で効果的な教育のあり方を提示することで、結果として教育が変わっていく可能性があるとの意見が出されました。また、自分で考え、確信を持ってAIを活用できる学習者であれば、よりよい結果を得ることができ、AIとの協働によって学習効果を高められるのではないかという考えも示されました。 また、AIが示す情報をすべて正しいと捉えるのではなく、疑問を持ちながら活用する姿勢は、人間から学ぶ場合でもAIから学ぶ場合でも変わらないとの意見が出されました。AIは豊富な知識を持ち、多様な教え方ができることから、それらを活用することで教育を進化させることができるという考えです。さらに、一人ひとりの生徒の特性や傾向をAIに取り入れることで、それぞれに合わせたきめ細かな教育が可能になるとして、AIを積極的に活用すべきとの意見が示されました。さらに、AIによって教育は「知識伝達」から「身体×体験設計」へと変わっていくのではないかという意見も出されました。AIを使うことで簡単に答えを得られるようになると、自ら頭を使って考える機会が減り、思考のコアを作る力を奪ってしまう可能性があるとの指摘もありました。課題に対して長いレポートを作成できたとしても、中身が伴わないこともあるため、考える力を奪ってしまったら、学習効果にマイナスの影響を与えるのではないかとの考えが示されました。
今回の研究会では、AI教師が教育にもたらす可能性と課題について、多様な立場から活発な議論が行われました。参加者それぞれがAIと教育の関係について考えを深めるとともに、AI時代に求められる教育の在り方について理解を深める機会となりました。
次回の研究会は2026年9月4日(金)に開催予定です。今回の議論を踏まえて、AI教師の学習効果に関する4つの異なる見方・私見(A・B・C・Dゾーン)をネーミングした上で、問題(ギャップ)の本質に迫り、原因を特定化した上で解決策(具体的なアクションプラン)を提示します。











