このコラムVol.30は、学生相談室夏休みイベント「マンガビブリオバトル」参加作で、９月開始のアンケートの対象です。

　おススメマンガ：『ダイヤのA（エース）』寺嶋裕二 著，講談社

　皆さん、期末試験も終わり、いよいよ夏休みですね。

　今年、2021年は、オリンピック・イヤーです。本当は2020年でしたが、コロナ禍で一年延びてしまいました。毎日熱戦が繰り広げられ、選手の活躍に元気と勇気をもらえますね。

　そんなオリンピック・イヤーには、やっぱりスポーツを題材にした作品をおススメしたい！ストレスと引き換えにスッキリ感と高揚感を手にいれましょう！

　私はスポ根マンガ好きで、コミックスで揃えると本棚があふれてしまうので、基本的には電子書籍で読んでいますが、なかには保存版として紙で所蔵したい作品がいくつかあります。ウチの本棚に収まっているのは、私に選ばれしオモシロ作品なのです。『ハイキュー!!』(古舘春一 著）とか『黒子のバスケ』(藤巻忠俊 著）とか『ボールルームへようこそ』(竹内友 著）、『灼熱カバディ』(武蔵野創 著）など...。そのうち、一番次巻の発行が待ちきれないのが今回お勧めする『ダイヤのA（エース）』です。

　野球マンガ、というか、高校野球のマンガです。プロのスカウトマンも来るような、とある野球の強豪校に入った少年が、切磋琢磨しながらエースピッチャーの実力をつけていく物語。主人公は変化球派のサウスポー。チームメイトの同級生に150キロ代後半を出す速球派のエースがもう一人。お互い刺激し合う友人となりながら、甲子園をめざして地区予選を闘います（なかなか甲子園に到達しない）。地区が東京だけに激戦区です。

　『巨人の星』(梶原一騎 著）に出そうな魔球とか、『テニスの王子様』(許斐剛 著）に出てきそうなありえへん技とか出てきません。『スラムダンク』(井上雄彦 著）の桜木花道くんのように主人公に華があるわけでもなし。マンガなんだけれど現実的。出てくる高校が、どこをモデルにしてるのか判りやすい設定で、現実とオーバーラップしてしまいます。高校球児の文字通り汗と泥にまみれた青春群像が描かれており、ひとつのことに一直線に真剣になりながら、もがき、苦しみ、闘う、「今どきどうなの？」と思うような王道のスポ根です。たまに淡い恋が絡むか？となりつつ、結局そうはならないところも。とにかく、野球、野球、野球、のマンガです。野球好きのひとには、たまらないでしょう。こういうバッターには、こう追い込むとか、色々詳しい描写は作者の綿密な取材の賜物のようです。

　現代はサッカーのほうが人気がありあそうなので、野球のルールを知らないかたは、今一つ入り込めないかもしれませんが、高校野球、プロ野球などお好きなかたは、確実にのめり込める作品となっております。

　2006年に『週刊少年マガジン』で連載が始まり、いまは『ダイヤのA　actⅡ』という第2部に突入していて今月28巻が出る長寿漫画（ちなみに『ダイヤのA』は47巻でいったん完結）。スポーツ用品メーカーのミズノが、コラボグッズまで出す人気作です。

　野球好きのかたは、お試しあれ。アニメにもなっています。

　そういえば、夏の甲子園の大会も、もうすぐですね。

教職員　T.K.さん