学生生活学生相談室

コラム
2019.09.10

学生相談室コラム Vol.3 - ココロの豆知識

「過去にあった嫌なこと、または過去の失敗を何度も思い出してしまう」ということはありませんか? 受験がうまくいかず、不本意ながら入学してきた学生が、受験の失敗を引きずっていたり、高校時代に戻りたいという思いが強かったりして、大学生活に適応していくことがなかなかできないという、過去を引きずっている悩みは、新入生の相談の中でよく語られるものです。

また、「単位が取れるだろうか」、「ちゃんと就職できるだろうか」ということはありませんか?このような不安で頭がいっぱいになってしまい、物事に手がつけられなくなってしまうということも多くの学生が抱える悩みと言えます。私たちの悩みの多くは、このように、過去や未来のことを考えることによって起こっていると言われています。

大学に入学するまでは、「良い大学に入る」ということを目標に勉強をしてきて、大学に入学したら、次は就職に向けて大学生活を送ります。このように、常に先のことを考えることを求められるために、「今」を大事にするという生活を送ることが難しくなっているようです。将来のことを考えて、計画的に行動していくことはとても大切なことです。しかしながら、先のことを気にしすぎて、今この瞬間をじっくり味わうことができないことはもったいないことだと思います。

新入生への学生相談室の講話の中で紹介している、立教新座中学・高等学校の校長先生だった渡辺憲司さんの言葉に、「大学という青春の時間は、時間を自分が管理できる煌めきの時なのだ」というものがあります。大学時代という自分で時間を管理できるという貴重な時期に、今を大切に生きてもらいたいと思います。

今を大切に生きる上で役立つ手段の一つとして、数息観という瞑想があります。数息観というのは、読んで字のごとく自分の呼吸する息を心の中で静かに数えることです。呼吸は、今まさに自分が行なっていることです。その呼吸に意識を向け続けていくことは、今を生きるトレーニングになります。

学生相談室では、11月にヨガのインストラクターをお呼びして、ヨガの体験ワークショップを開催します。その中で、呼吸に意識を向けるエクササイズも行います。興味がある方は、ぜひ参加してみてください。詳細は、学生相談室のホームページや掲示板に掲載するので、チェックしてみてください。

専任カウンセラー 吉原 啓