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【メディア掲載】内尾准教授ら訳 マイケル・ローゼン
『尊厳―その歴史と意味』が週刊エコノミストで紹介されました。
国際学部准教授の内尾太一先生が翻訳を手がけたマイケル・ローゼン著『尊厳―その歴史と意味』(同志社大学の峯陽一教授との共訳)の書評が、『週刊エコノミスト』2021年6月8日号(毎日新聞出版)のBOOK REVIEWコーナーで紹介されました。(評者は、ニュージーランド・オタゴ大学教授の将基面貴巳先生)
「人権に配慮した市民社会へ 今こそ学び直すべき概念」と題されたその書評記事は、以下のような文章で始まります。
「『尊厳』という日本語は、近代において用法が大きく変化したものの一つであろう。戦前・戦中には、天皇や国体の尊厳あるいは国旗や軍旗の尊厳について語られるのが常だった。戦後になって、そうした用法は影を潜め、個人や生命の尊厳が論じられるようになった」(p.52)。
そして、評者はローゼンの『尊厳』の概要を解説した上で、ビジネス誌の書評らしく次のように読者に訴えかけます。「尊厳という問題は、経済界のリーダーにとって無縁であるどころか、本格的に思考を深めることが不可欠である」(p.53)。続けて、現代の日本において激増した非正規雇用者が、一部の企業で使い捨てのように扱われていることを、尊厳を蹂躙する行いであると指摘します。
そして、同記事は最後こう締めくくられています。「尊厳を傷つけられた人々の犠牲のもとに経済活動が成立する現状を批判するために、尊厳について理解を深めることは喫緊の課題である」(p.53)。
この書評の全文は、週刊エコノミストOnlineのウェブ記事からご覧頂けます。
<関連情報>
マイケル・ローゼン著『尊厳―その歴史と意味』(内尾太一、峯陽一訳)の書誌情報は、岩波書店のウェブページからもご確認頂けます。
内尾先生による同書の紹介記事、B面の岩波新書「『尊厳―その歴史と意味』 著者マイケル・ローゼンとふたりの哲学者の対話」は、こちらをご覧ください。
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