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2023.03.16

2022年度ReIDACの優秀発表を表彰 (情報教育センター)

 2023年3月14日(火)、毎年1月末に開催されている「情報・データサイエンス・AIコンテスト(ReIDAC:Reitaku IT Service & Data Science & AI Contest)」の表彰式を執り行いました。今年度も、コロナ禍の影響によりコンテストは対面とオンラインのハイブリッド開催となりました。留学先からの参加もあり、ハイブリッド開催の力を感じています。

 前回同様、コンテスト参加者および発表者による評価は行わず、情報教育センターのスタッフが審査にあたりました。審査は論文・発表の両面から厳正に評価を行っています。

 今年度のコンテストでは、最
優秀賞1点、優秀賞2点、学長賞1点、情報教育センター長賞1点、奨励賞3点、審査員特別賞1点が選ばれました。また、今年から各部門の部門賞を設け、IT部門賞には学長賞、データサイエンス部門賞には情報教育センター長賞が贈られ、またAI部門賞とアイデア部門賞として、それぞれ1点の発表が選ばれました。
※コンテスト当日の様子は、こちらからご覧ください。

表彰をうけた発表は以下のとおりです。受賞者の皆さん、おめでとうございます。

最優秀賞

経済学部 経営学科
経営専攻 4年
前田 知里、作山太一
「PHPを用いた時間割生成サービスの構築」原稿

現在、学生は時間割を作成するにあたって多くのWebブラウザを開く必要があることに問題意識を持っており、本研究はその改善に試みたシステム制作である。個々人のパーソナルデータや勉強への態度を入力すると、個々に最適化された科目が時間割形式で表示されるWebアプリ(PHPとMySQLを利用)を構築し、実際に、在学生にも利用してもらいレビューまで行ったことは大変評価できる。

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優秀賞

外国語学部 外国語学科
日本語・国際コミュニケーション専攻 4年
堀口 里奈
「時間帯により最適化された車いすユーザーむけキャンパス通行マップの生成と実運用に向けた課題」原稿

グラフ理論を用いて、麗澤大学キャンパス内のアクセスルートの検証に関する2021年度からの継続研究である。実際に校舎「かえで」「あすなろの」校舎間で通行できると判断したノード間の移動距離と車椅子を使った移動時間を計測し、最短経路を検索するプログラムを作成し、キャンパスにおける車椅子ユーザーの移動の問題について考察を行ったことは高く評価できる。

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優秀賞

経済学部 経済学科
グローバル人材育成専攻 4年
喜多 瑛彦
「太陽光発電によるエネルギー需給の空間的不均一性-GISを用いた分析-」原稿

本研究は昨今、自然エネルギーの中でも特に注目されている太陽光発電の都市部日照時間と日照量という太陽光発電による電力の供給面に影響を与える要素と、人口という電力の需要要素の両側面の地理的な不均一分散性について注目したものである。電力の地理的な需給バランスについて考え、その不均一性から、電力輸送の必要性を明らかとした点は高く評価できる。

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IT部門賞・学長賞

経済学部 経営学科
経営専攻 3年
吉村 俊也
「教育サービスとしてのデジタル地域教材の制作-手賀沼流域の児童に向けて-」原稿

本研究は、手賀沼流域における地域教材の不足から、活動している地域団体の知見を活かしたデジタル教材の制作を行ったものである。地域団体とのコラボレーションを通して、映像に慣れ親しんだ子どもたちにフィットする映像を教材として制作し、地域の小学校の教材として配布されるまで行うことが高く評価された。

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データサイエンス部門賞・情報教育センター長賞

経済学部 経営学科
経営専攻 4年
磯﨑 永愛、小野 純奈、田中 佑茉
「ジャニーズアイドルグループの衰退要因に関する実証研究」原稿

本研究は、ジャニーズアイドルグループの衰退要因を、組織エコロジー理論の視座から明らかにしようとするものである。学生にとって身近なテーマに関して、現象の因果関係を経営学の理論を用いて説明、仮説の設定を行っており、また、関係するデータを収集した上で適切に検証を行っている点に好感が持てる。結果についてもファン独自の視点から考察が加えられており、納得性の高いものであった。

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奨励賞

経済学部 経営学科
経営専攻 4年
新村 竜平
「女性管理職が企業のパフォーマンスに与える影響」原稿

本研究は、企業における女性活躍が組織パフォーマンスに与える影響を明らかにしようとしたものである。従来、トークニズムによって能力が発揮できないという現象は女性活躍の文脈において語られてきたが、本研究では、日本の上場企業1150社2013-2020のパネルデータを用いて分析することで、そのような現象が男性側に発生しうること、そして、企業のパフォーマンスを最大化するには一定の男比率が好ましいことを明らかにしている。これらの発見は従来の議論にはなかった知見であり、女性活躍や多様性研究の蓄積に貢献するものである。

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奨励賞

経済学部 経営学科
AI・ビジネス専攻 1年
西田 明夏音
「AEDを見つけるアプリの開発-1秒でも早く人命救助をおこなうために-」原稿

近年 AED は一般市民の使用が認可され設置台数が拡大した一方で、AED を探すための手掛かりが少なく、緊急時に AED を探すことは難しいという課題に着目し、その解決を目指す研究である。緊急時に救命で AED をより役立てること、普段から AED の設置場所情報をより簡単に確認できるようにすることを目的とし、1年生ながらAED の位置がわかるアプリの作成をした点が高く評価された。

奨励賞

経済学部 経営学科
経営専攻 3年
酒井 元気
「スポーツ解説者の違いが及ぼす影響について-Twitterにおけるテキスト分析を中心として-」原稿

本研究は、スポーツの試合解説者(サッカー)が違うことで視聴者の抱く感情に差があるのか、どのような解説を求めるのかを調べ、その違いについて明らかにするものである。Google ColaboratoryにてTwitterのツイートを収集し、User LocalのAIテキストマイニングツールにて感情の差があるかどうかを丁寧に検証した点が高く評価された。

アイデア部門賞

外国語学部 外国語学科
英語・リベラルアーツ専攻 4年
長谷川 美来里、難波 乃彩
「レコメンデーション機能を基盤とした英語文法学習システムの設計」原稿

現在、新型コロナウイルス蔓延の影響を受け、教育現場では、慢性的な教員不足や従来のクラス編成などが依然として問題になっていることに着目した研究である。実際に学生自身がオンライン授業を経験してきた中で効果的であると感じた、繰り返し授業を受け直すことができるオンデマンド型授業を応用したオンラインの学習支援システムについての開発案を企画した点が評価された。

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AI部門賞

経済学部 経営学科
会計ファイナンス専攻 4年
今井 勇希
「商品レビューの文章量の多寡を決める要因」原稿

本研究は、機械学習(lightgbm)を利用したユーザーのレビューへの積極性の分析と感情分析による投稿者の特徴の分析より、レビューを書くユーザーの特定を試みたものである。低評価をつけたユーザーはあまり積極的にはレビューを書いていないこと、そして、ネガティブなレビューをする消費者はレビューの文章量が150字前後におさまることを明らかにし、レビューサイトの改善に大きな貢献がなされたことが評価された。

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審査員特別賞

経済学部 経営学科
AI・ビジネス専攻 3年
服部 立
「食配サービス企業の顧客データ分析」原稿

本研究は、産学連携の一環として食配サービス企業A社の顧客データに対して、回帰分析と機械学習的手法(ランダムフォレスト、xgboost)を用いて予測モデルの構築を試みたものである。企業の実データを元に、MAEを用いて予測精度の検証を行い、xgboostが最も高い精度で予測できることを明らかとした点が評価された。

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ReIDACを主催する情報教育センターのスタッフ一同、皆さんの今後のさらなるご活躍を心からお祈りしています。卒業する皆さんは、ぜひ先輩としてまたReIDACにご参加いただき、卒業後の元気なお姿を見せていただきたく思っています。また、1~3年生の皆さんには、卒業する4年生の姿を参考に、さらにレベルの高い研究を目指し、一層の研鑽を期待したいと思います。

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2022年度ReIDAC、および過去の発表会の記録はこちらからご覧いただけます。