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教育・研究
2023.12.19|最終更新日:2024.01.05|

【開催報告】学生団体LinkRUが石垣島で『未来につなぐ「スマムニ」プロジェクト』を実施

 学生団体「LinkRU」は、沖縄県石垣市にあるホテルパティ―ナ石垣島にて、『未来につなぐ「スマムニ」』プロジェクトを実施いたしました。これは地域語の観光資源化の研究を進めている外国語学部山川和彦教授の活動の一端を担い、旅行者にスマムニを認知してもらう活動です。

 代表の国際学部4年次生 土岐萌々花さんより活動内容をご報告いただきましたので、ご紹介いたします。
 この活動はNHK沖縄ニュース、八重山毎日新聞でも紹介されました。八重山毎日新聞の記事はこちらよりご覧ください。

 LinkRU多言語班は外国語学部山川先生を顧問とし、言語の多様性を認め広めていく活動を行なっています。LinkRUは昨年2022年9月に開講した自主企画ゼミ※「多文化社会実現のための課題研究」を母体とし、さらに大学内の国際化を活性化することを目的にラジオ班、イベント班を統合して2023年4月にLinkRUと名前を改めスタートした学生団体です。

 これまでは大学内での国際交流クリスマスパーティーやオープンキャンパス及び山川教授が会長を務める日本言語政策学会でのエレベータ内言語の木の制作、多言語ラジオ放送などの活動を行ってきました。今回は山川先生の交流のあった石垣島において、麗澤大学と高大連携の関係にある八重山商工高等学校、そしてホテルパティーナ石垣島の皆様と一緒に、石垣島の言語「スマムニ」を未来に継承するための活動を行ってきました。

※自主企画ゼミナールとは、学生が学びたいテーマを見つけ、 学生が自ら指導を受ける教員を選び、 何をどのように学習していくかについて、 該当教員の助言を受けながら決定し、 学習計画を立て、 その計画に従って進めていくゼミナール制度です。

『未来につなぐ「スマムニ」』プロジェクトについて

 「スマムニ」とは八重山地域で話される言語のことです。八重山諸島には沖縄本島や宮古諸島などとは違ったことば(スマムニ)があります。 このスマムニを話す人口も少なくなり、2009年2月にユネスコにより消滅危機言語の「重大な危機」に分類されました。ことばはその土地の魅力を伝えていくものです。自然を守るのと同じようにことばも伝えていくことが求められていると思います。私たちはより多くの人ににスマムニを身近に感じてもらいたく、言語の木を植えました。言語の木を一緒に育てて花を咲かせませんか?というキャッチコピーの元、ホテルパティーナの食堂一面に言語の木を設置いたしました。

  • 言語の木12月15日完成版.jpg言語の木の葉には1枚1枚、標準語と共にスマムニが書かれています
  • 八重山商工×麗澤大学×ホテルパティーナ.jpg八重山商工高校、ホテルパティ―ナ、麗澤大学プロジェクトメンバー

プロジェクトメンバーの感想

麗澤大学4年 土岐萌々花さん

 消滅の危機にある言語というのが日本にあるということは授業で学んではいましたがどこか遠くの話のように感じていました。それが縁あって実際に石垣島で活動をする中で、私たちのとても身近なところにあることに気づきました。言語を「言語の木」という形でビジュアル化し、より多くの人の目にふれ、考えることで少しでもその言葉が受け継いできた文化やその社会が残っていけば良いなという思いでこの活動を行ってきました。石垣島の高校生と共に活動することで、石垣島で生まれ育った高校生にしかわからない魅力や言葉を知ることができ、とても楽しかったです。そして、この言語の木を通して、地域の皆さん、観光客の皆さん、そして世界中の皆さんに八重山語の魅力が伝わり、未来に繋がっていけば嬉しいなと思います。

八重山商工3年 島尻星菜さん、多宇美月さん、志喜屋有梨さん

 島の魅力を伝えるのに島の方言を使うことで、観光を盛り上げたいと思いこのプロジェクトに取り組みました。石垣島では食も観光の1つなので、『おいしい』という意味のスマムニ語「ンマサーン」を言語の木のいちばん上に貼りました。方言を使い楽しんでもらいたいです。

代表 土岐萌々花