お知らせ
【開催報告】エンターテインメント通訳の最前線を学ぶ:鈴木小百合先生特別講義開催
2024年12月2日(月)、麗澤大学外国語学部の渡邊ゼミと日影ゼミの共同主催により、鈴木小百合先生(本学客員教授、通訳・翻訳家)をお迎えして、「エンターテインメント通訳の仕事について」と題した特別講義が開催されました。鈴木先生は、ハリウッドスターや著名な映画監督、プロデューサーの通訳として長年活躍されており、東京国際映画祭では30年以上にわたり通訳を務めていらっしゃいます。
講義内容
講義では、映画業界の歴史や最新動向を交えつつ、通訳者としての経験談を中心にお話しいただきました。以下は、講義の主なトピックです:
邦画と洋画の市場シェアの変遷
1950年代から現在に至るまでの邦画と洋画のシェアの変遷について詳しく解説。特に2006年以降の邦画の巻き返しや、配信サービスの普及による映画業界への影響が紹介されました。 また、エミー賞で18部門を受賞した「SHOGUN」の制作秘話や、真田広之氏の主演男優賞受賞に至るまでの背景も紹介され、学生たちは熱心に耳を傾けていました。
通訳業務の多様性
映画プロモーションや授賞式、記者会見での通訳のエピソードを共有。スター・ウォーズ・セレブレーションやシャネル&シネマTokyo Lightsなど、最近携わったプロジェクトも取り上げられました。
スキルと役割
同時通訳と逐次通訳の違いや、それぞれの場面で求められるスキルについての説明があり、実践的な知識を深めることができました。
学生との質疑応答では、鈴木先生の経験に基づいた具体的で興味深いエピソードが語られました。学生たちからは以下のような質問が寄せられました:
- 最近見たおすすめの映画はありますか?
- 通訳として最も大変だったと感じたことは何ですか?また、それでも仕事を続けられた理由は何ですか?
- 今まで会った俳優の中で最も驚かされた人は誰ですか?
- 楽しんで英語を学ぶおすすめの方法や、隙間時間でできる英語学習法はありますか?
- ハリウッド・スターや監督との仕事で特に印象に残っているエピソードはありますか?
- 通訳、翻訳活動を通じて、日本人が直面しやすい異文化コミュニケーションの課題は何だと思われますか?
鈴木先生は、一つひとつの質問に丁寧に答えながら、ご自身の体験を交えて通訳者の仕事の魅力や苦労を語りました。特に、アクセントや文化の違いに触れる通訳業務の醍醐味、また通訳者として心がけている「話し手の思いをそのまま伝える」姿勢についての解説は、学生たちにとって大きな学びとなりました。
鈴木小百合客員教授 プロフィール
2013年4月より麗澤大学外国語学部客員教授。8歳から14 歳までオーストラリアのシドニーで過ごし、帰国後、聖心インターナショナルスクールにて学ぶ。国際基督教大学(異文化コミュニケーション専攻)卒業後、広告代理店勤務などを経て、フリーの通訳・翻訳者に。演劇の現場での通訳としてスタートを切り、その後、戯曲翻訳を手がけるようになる。2007 年には、戯曲翻訳の2 作品で「第14 回湯浅芳子賞」を受賞。通訳としては映画のプロモーションで来日するハリウッド・スターや監督の通訳を担当。さらに東京国際映画祭での通訳を30 年以上に渡り務め、オープニング・セレモニーや授賞式、舞台挨拶や記者会見などでは、歴代総理大臣、及び各国の映画監督、製作者、俳優の通訳も担当。