お知らせ
【実施報告】地域課題解決に向けた先進モビリティ研究を発表―つちうらMaaS推進協議会定時総会にて麗澤大学教員が登壇―
2025年6月30日(火)、2025年度つちうらMaaS推進協議会定時総会が開催されました。会場には、土浦市・かすみがうら市の関係者をはじめ、地域の行政・交通・民間企業の関係者が多数出席しました。総会終了後には、麗澤大学の教員による研究発表が行われ、交通・都市・地域DXといった多様な視点から、持続可能な地域社会の実現に資する研究成果が共有されました。
当日は、工学部および経済学部の教員が登壇し、それぞれの専門分野から地域課題へのアプローチを発表しました。発表内容は以下の通りです。
工学部 須永大介 准教授
「大都市圏郊外部での持続可能な公共交通事業運営を目指して」
バス路線の減便や廃止が進む郊外地域を念頭に、公共交通の再構築に向けた提案を行いました。行政の積極的な関与のもと、地域の実情に応じたリ・デザインの重要性を説き、デマンド交通や鉄道の緩やかな上下分離といった新たな運営形態の可能性にも触れました。
工学部 鈴木高宏 教授
「自動運転の社会実装について―全国、仙台市の実証・実装の状況と課題―」
全国で進む自動運転の取り組みについて、国における実証地域拡大の一方、地域においては独自予算や主体的に企画を立てられる人材の育成が重要であると述べました。佐渡市、塩尻市や仙台市の実証事例を取り上げ、特に塩尻市における自治体出資による振興公社を中心とした推進体制や、地域DXセンター整備による波及効果などを紹介しました。
経済学部 欧阳君顔 助教
「つくば市における開発時期が異なる市街地に着目した年齢別人口構成の推移」
つくば市の市街化区域を四つのゾーン(研究学園、TX沿線、既成市街地、産業系市街地)に分類し、都市計画と人口動態の関係性を分析。地区ごとに異なる発展段階が年齢構成に与える影響を明らかにし、世代間バランスを意識した施設配置や、既成市街地のストック再生、公共交通ネットワークの強化といった今後の都市政策の方向性を提案しました。
工学部 大澤義明 教授(つちうらMaaS推進協議会 会長)
「緊急輸送道路沿道空き家の規模推定-茨城県南を対象として-」
災害時の輸送路確保の観点から空き家問題に着目し、茨城県稲敷市を対象に研究成果を報告しました。速達性を重視した最短経路問題と、撤去対象の空き家数を抑える最小連結問題を比較し、それぞれのトレードオフを可視化することで、実効性のある空き家対策のあり方を示しました。
工学部 陳寅 准教授
「エッジAI技術を最大限に活用した地域DXの取り組み」
藤沢市・鎌倉市において実施している、ごみ排出量の細粒度センシングプラットフォームの構築事例を紹介。エッジAI技術を活用することで、地域の課題解決や行政サービスの高度化に貢献する取り組みを報告しました。
最後に、関東鉄道株式会社 代表取締役社長 登嶋進様より、各研究に対する深い関心が示され、今後の意見交換の機会や実践への応用に向けた連携への期待が述べられました。
これらの発表を通じて、麗澤大学が地域社会との連携を深めながら、実践的かつ先進的な研究活動を展開している姿勢が示されました。今後も地域との連携を通じて、学術的知見を社会に実装し、持続可能な地域づくりに貢献してまいります。
工学部 須永大介 准教授
工学部 鈴木高宏 教授
経済学部 欧阳君顔 助教
工学部 大澤義明 教授
工学部 陳寅 准教授
関東鉄道株式会社 代表取締役社長 登嶋進様による講評